下地島空港で初遊覧飛行 スカイマーク、羽田枠獲得へ需要喚起
スカイマーク(SKY・本社東京、洞駿代表)は22日、下地島空港で初めての遊覧飛行を開催した。現在トライアル運航が行われている下地島―羽田線の正式な枠獲得を目指した需要喚起策の一環で、島内外から集まった大勢のツアー客らが特別な飛行体験を楽しんだ。また、高校卒業と同時に島を離れることが多い宮古の子どもたちのためとして、下地島エアポートマネジメント(SAMCO)が地元の高校生12人を遊覧飛行に招待した。
SKYは「羽田空港発着枠政策コンテスト」の最後の一席を、日本航空の羽田―三沢(青森県)線と競っている。トライアル運航は3月25日までで、結果は夏ごろ判明する見込み。獲得に向けて市などと連携しさまざまな施策を実施してきており、この日の遊覧飛行にも座喜味一幸市長、宮古島商工会議所の根路銘康文会頭、同観光協会の吉井良介会長が参加した。
ツアーはほぼ完売と盛況。遊覧にはピカチュウジェット(BC1)を使用し、飛行前には駐機場での機体見学やピカチュウとの記念撮影なども行われた。
水納島・多良間島上空を旋回し、東平安名崎や池間島を眺めて下地島に戻るフライト中は、右と左の両方で旋回しどの客席からも同様の眺めが楽しめるよう配慮。飛行中は操縦席と管制塔とのやり取りを客室に開放。スタッフが実況しながら専門用語を解説するなど、さまざまな演出が用意されていた。着陸前には、下地島空港が誇る3千㍍の滑走路の端から端までを地面すれすれに低空飛行。特別な体験に客席から大きな拍手が沸いた。座喜味市長らがプレゼンターを務める抽選会も行われた。
座喜味市長はフライト後、「宮古島の魅力を存分にアピールしてくれる素晴らしいイベントだった。忘れられない思い出になり、今日をきっかけに宮古のファンになってくれる人もいると思う」と述べた。
招待で参加した宮古高校3年生の下地春樂さんは「飛行機が好きで、自衛隊でパイロットになるのが夢。機体を間近で観察できて良かった」と話した。
遊覧飛行後は、宮古島市民を招待しての航空教室も開催。コクピット内を含む詳細な機体見学と解説、整備士やフライトアテンダントやパイロットの仕事紹介などを行った。