宮古島産アーサが有機JAS認定を受けたことを座喜味市長(右)に報告する栗山組合長(中央)と石黒代表 =市役所応接室

宮古産アーサ 日本初、有機JAS ブランド向上で販路拡大

 宮古島漁業協同組合(栗山弘嗣組合長)が生産するアーサがこのほど、日本で初めての有機アーサとしてJASの認定を受けた。ブランド価値の向上による販路拡大が期待され、すでに複数の大型量販チェーンと商談が進んでいるという。栗山組合長は17日、協力して事業を進める農業生産法人の島酒家(石黒新海)代表とともに座喜味一幸市長を訪問。市長に有機JAS認証を報告し、トップセールスや生産設備拡充への協力を依頼した。
 JASは日本農林規格の英語略。農林水産省の指定する第三者機関から、農薬や化学肥料などに頼らないことを基本として自然界の力で生産していると認定を受けることで、有機JASマークを使用することができる。マークは太陽と雲と植物をイメージしてデザインされているという。
 宮古島漁協と島酒家は「あおさ有機の会」を設立し、協力してJAS規格認証に取り組んだ。色味をつけるための薬品や化学肥料を一切使わないなどの基準をクリアし、アーサ生産では日本で初めて有機JAS認証を取得した。
 1月下旬から収穫するものを「宮古島産有機乾燥あおさ」として販売する。JASマークの付いた新しいパッケージは6月から市場に投入するが、日本初のインパクトは大きく、県内外の大型量販チェーンから引き合いがあるという。ヨーロッパでの販路開拓も視野に入れている。
 石黒代表は「日本のあおさ業界で初の試みで、非常にインパクトは大きい。宮古島の漁業者の皆さんに生産意欲を持っていただきたく、来年分までは今の生産量の最大限まで発注している」と説明。関東や関西の量販チェーンなどで、定番商品として展開する話が進んでいるという。
 栗山組合長は「市長のトップセールスを通じて、ぜひ宮古産のアーサを全国に広めてほしい」と依頼。今後の課題として加工場のキャパシティ不足を挙げ「注文をさばく生産能力が不足している。我々も自助努力に取り組むが、行政の協力も願いたい」と述べた。
 座喜味市長は「観光含め宮古が発展していくために、やはり海の美味しいものは大切。健康食品として品質保証がされたのは大きな財産になる。生産拡大、販路開拓に市として協力していきたい」と話した。

有機乾燥あおさのパッケージ有機乾燥あおさのパッケージ

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