宿泊税などについて意見交換した市観光推進協議会 =市役所ホール

「宿泊税」実施へ議論 税額、徴収方法で委員ら

 宮古島市観光推進協議会(会長・座喜味一幸市長)が27日、市役所で開かれ、「宿泊税」の2024年度条例施行及び徴収開始に向けて議論を深めるとともに、税額(税率)や徴収方法など内容について意見を取りまとめ、市法定外目的税庁内検討委員会に提案することなどを確認した。県が同様の宿泊税を検討している経緯を踏まえ、同市は県の動向を注視するとともに、今後、調整を図る方針を示した。このほか、受入キャパシティの評価・査定、伊良部牧山公園活用の検討、地域経済循環システム構築などを協議した。
 協議会では事務局(観光商工課)が宿泊税に関する宿泊施設へのヒアリング結果について、▽導入はおおむね賛成が多いが、施設のみに負担が大きいとの意見もある▽税の使途を明確にして観光客に伝わるようにする▽周知徹底で施設の労力を軽減する―などの意見があったと報告するとともに、先行する地域の事例を紹介した。
 市内宿泊者に対する税徴収に当たって同市は、県が同様の取り組みを進めていることを踏まえ、仮に県が実施した場合は条例案に折半する条項を盛り込むとしており、今後、県と調整する方針を示した。宿泊税とは別にクルーズ船で来島する観光客に対する課税には、ほかに徴収事例がないとして調査を継続するとしている。
 今後のスケジュールは、年明けに庁内検討委員会を開くほか、3月までに事業者意見交換、観光実務担当者会議、有識者検討委員会、県協議を実施する。23年度は県と協議を継続するとともに、庁内及び有識者検討委を踏まえ、9月には宿泊税条例(仮称)の議案上程、10月以降に総務大臣協議開始と同意を経て24年度中の条例施行と徴収開始を予定している。
 座喜味市長は、「(ことしの)連休明けから観光を含む経済の動きが活性化しており、新年度はさらに大きく展開すると思う。協議会で宿泊税が議論されることは重要なことで、皆さんの意見をいただきたい」とあいさつした。
 受入キャパシティ評価では今後、人手不足の状況モニタリングや解消の取り組み支援、入域観光客数目標見直し、評価基準などを検討する。伊良部の牧山公園活用構想策定に向けて同市は、発案段階で民間事業者が利活用方法について意見・提案するサウンディング型市場調査を実施し、23年度に整備計画を策定するスケジュールを示した。

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