3年ぶり「なりやまあやぐ」 海上舞台から観客魅了
第15回「なりやまあやぐ」まつり(主催=同まつり実行委員会、友利部落会)が9日、城辺友利のインギャ―海上特設ステージで3年ぶりに行われた。一般の部に57人、子どもの部に8人が出場し、宮古民謡を代表する「なりやまあやぐ」で観客を魅了した。この日夜から行われた本選では、大人の部で奥平乙斗さん(20)、子どもの部で仲田柚貴くん(11)がそれぞれ優勝を果たした。
祭りは、宮古民謡の代表曲「なりやまあやぐ」を継承していくことを目的として発祥の地・友利で開催される。「あやぐ」とは、古くからの教えを伝える教訓歌の意。妻から夫へ、あるいは、恋人同士の女性から男性へ、旅の無事や他の女性に近づかないよう戒めを唄ったものと言われ、宮古島の城辺友利地区が発祥とされる。
この日は午前10時から大人の部の予選が行われ、午後6時半からは予選を通過した大人20人の本選が行われた。日暮れ後の本選では水中照明が舞台を演出、ロウソク灯篭が会場周辺を幻想的な雰囲気を醸し出すなかで、美しい歌声が響いた。
一般の部で優勝した奥平さんは子どもの部時代から出場を続け、2019年の前回大会で一般の部に出場し2位だった。奥平さんは「念願の優勝。本選最初の演奏だったので緊張したが、満足できる演技だった」とし、「今後は師範資格を取りたい。いずれ宮古に戻ったら、島の民謡のレベルをもっと上げていきたい」と話した。
子どもの部で優勝した仲田くんは「前回大会が中止だったので、3年間ずっと練習してきた。初めて出場する大会なのに、こんな賞をとって良いのかなという気持ち」と笑顔だった。
上位入賞者は次の通り(敬称略)。
【一般の部】1位=奥平乙斗▽2位=下地洋一郎▽3位=根間玉恵▽4位=岩田友里奈▽5位=根間美穂
【子どもの部】1位=仲田柚貴▽2位=長嶺海咲▽3位=長嶺凪