危険業務従事者叙勲 宮古関係3人
政府は8日付で、警察官や自衛官など危険性が高い業務に尽力した元公務員を対象とする「第39回危険業務従事者叙勲」の受章者3613人を発表した。発令は29日。沖縄は45人。宮古島市から瑞宝双光章に防衛功労で元3等陸佐の吉川栄二氏(61)=平良西仲宗根=と、海上保安功労で元海上保安官の宮國幸夫氏(65)=上野宮国=、瑞宝単光章に警察功労で元県警視の石垣朝重氏(72)=平良島尻=が受章する。(吉川氏は本人の都合により掲載しません)
●「国民の命と財産守った」
瑞宝双光章海上保安功労 宮國幸夫さん(65)
海上保安功労で瑞宝双光章を受章する宮國幸夫さん(65)は、「自分のこれまでの業績が皆さんに認めて貰えて、率直にうれしく思っている」と話す。
宮國さんは38年に渡る海上保安官生活を振り返り、「2001年の北朝鮮工作船事件では現場に立ち、海保として47年ぶりの発砲や化学タンカー火災の消火など、危険な任務に数多く従事してきた。国民の命と財産を守ってきた自負がある」と誇りを見せ、「海保の仕事は市民の目につかないことが多いが、自分に課せられた責務と思っていた」と述べた。
宮國さんは23回の異動を経験し、「海保の後輩たちは、外に出て知識を増やし学んで欲しい。本土に負けないよう、アララガマ魂で頑張って」と呼びかけた。
今後は「これまでの経験を活かし、ホテルや遊漁船を経営している。宮古島は変革の時期。島がより良くなるよう積極的に動きたい」と意欲を見せた。
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宮国幸夫(みやぐに・さちお) 1957年生まれ。宮古水産高校から沖縄水産専攻科に進み、民間企業に1年半勤めた後、80年に海上保安庁入庁。16年に巡視船「みやこ」業務監理官に配属、18年3月に退官。上野宮国在住。
●「地域の協力欠かせない」
瑞宝単光章警察功労 石垣朝重さん(72)
警察功労で瑞宝単光章を受ける元警部補の石垣朝重さん(72)=平良島尻出身=は、42年間の警察人生の半分近くを離島の駐在所勤務で過ごしたという。「仕事を進めるのに地域の人の協力が欠かせなかった」と振り返った。
受章を受けて「まさか自分がという思いだが、素直にうれしい。ずっと支えてくれた家族や諸先輩方に感謝したい」と笑顔。家族にはまだ伝えていないという。
座間味村に7年、波照間島に2年など、警察人生の大半を離島で務めた。「地域の中に入って行き人を良く知ることを心がけた。普段からコミュニケーションをとっていないと協力が得られず、情報を聞き出すことも出来ない」と語る。
「大きな事件事故が起きると、本部から応援が来るまで1人であらゆることに対応しなければならない。徹夜仕事になることもあった」ことが大変だったという。一方で「小さなことでも解決すれば喜んでくれる。やりがいのある仕事だった」と話した。
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石垣朝重(いしがき・ともしげ) 1950年2月20日生まれ。狩俣中、沖縄高校(現沖縄尚学)卒。68年4月琉球警察に採用。宮古警察署(現宮古島警察署)には2度赴任。