全議案を原案通り承認した宮古製糖の株主総会 =未来創造センター多目的ホール

長雨影響、1億円赤字 宮古製糖株主総会

 宮古製糖(渡久山和男社長)の第63期定時株主総会が22日、未来創造センター多目的ホールで行われ、全議案を原案通り承認した。売上高は41億1497万円で前期を上回ったものの、長雨による伊良部工場の操業長期化に伴う歩留低下で売上高が予想よりも伸びず、人件費の増加などもあって当期純損失は1億955万円の赤字となった。
 2021/22年期製糖操業は3工場とも雨天の影響を受けて長期間の操業となった。ハーベスター原料の搬入比率は城辺工場94・1%、伊良部工場80・6%、多良間工場72・0%と増加する中、雨天による原料確保に大きく影響を受けて圧搾停止期間は城辺工場が23日間、伊良部工場は66日間、多良間工場は28日間発生した。多良間工場では排水処理施設の処理能力低下に伴う改善のため6日間圧搾を停止し、その後も排水処理能力に応じた圧搾量となった。同社は「雨天日を先読みした原料確保手法と休糖期間中の製糖主要設備の総点検の実施」を課題に挙げている。
 渡久山社長は伊良部工場の操業がサトウキビ交付金の売渡し期限を過ぎるなど長期間かかったこと、多良間工場の処理施設の不備による排水の不法投棄について「農家や株主、関係者に心配と迷惑をかけたことを深くお詫びしたい」と陳謝し、「製糖工場は農家あっての工場。農家とともに歩み発展するため役職員一同頑張っていきたい」と述べた。
 総会後、株主からは多良間工場の増産などを踏まえて現在の含蜜糖から分蜜糖への移行について質問があり、渡久山社長は「黒糖は供給過剰で在庫問題を抱えている。農林水産省が認めれば県や村などと検討し、前向きに進めたい」と答えた。また伊良部工場の操業期間短縮には規模拡大が必要との要望に、渡久山社長は「早めの操業をしながら工夫して圧搾量を上げ、期間を縮めるよう努力したい。圧搾を大きくするには設備投資が必要なので役員と検討しながら前向きに取り組みたい」と述べた。

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