戦争で亡くなった家族らの冥福と平和を祈る参列者 =伊良部慰霊の塔

慰霊の日 伊良部慰霊の塔で追悼式

 伊良部地区戦没者遺族会(前泊龍英会長)は23日、「第68回慰霊の日戦没者追悼式」を伊良部長浜の慰霊の塔で行い、参列者らは慰霊碑に線香やお供え物をして戦争で亡くなった家族らの冥福と平和な世界を祈った。遺族らは高齢化が進んでおり、前泊会長らは「今後も塔を守っていかなければ」と話した。
 追悼式は午前8時から始まり、例年はテントを設営して集会形式で行うが、感染対策のため個人の焼香だけを行った。
 前泊会長は「今年も無事に開催できた。戦争が終わって77年経ち亡くなった遺族も多く、これからの運営が心配だ」と述べた。
 また伊志嶺徹副会長は「この塔には戦争で亡くなった300人あまりの霊が眠っている。戦争がない明るい社会を実現したいとお祈りした」と話し、「伊良部島には高齢で慰霊の日に来れない方が増えているので、この場所をどう守っていくかを考えなくてはいけない」と危惧した。
 戦争で叔父を亡くしたという70代の女性は「慰霊碑には毎月来ている。今年も家族を守ってくれるように祈った」とコメントした。

関連記事一覧