座喜味一幸市長

サトウキビ基軸に全農家支援

 宮古島市の座喜味一幸市長は、ウクライナ情勢や燃料高騰などの影響で農業関連の肥料や農薬など生産資材の高騰が想定されることを踏まえ、サトウキビ生産農家に㌧当たり500円を給付する収穫管理支援をベースに資材高騰に対応した補助金活用など新たな制度設計を進め、市議会9月定例会に提出する方針を固めた。9日、市役所内で市議会与党議員団に伝えた。
 座喜味市長は議員団との調整のあと宮古新報社の取材に対し、「社会情勢が大きく変わり、生産資材の高騰が大きな課題となっている。農薬、肥料、飼料などの高騰が想定され、国も対策を取る動きがある」との現状を指摘。この上で「これまでのサトウキビの500円も含めて、全農家を対象とした資材等の高騰に対する市としての制度設計をはじめている。整理して9月の議会に提案する」との方針を明らかにした。
 座喜味市長はサトウキビ以外の農家に対して、「ほかの施設園芸、土地利用型の農家をどこまで支援できるかだ」と述べ、キビ支援に加えて高騰分をカバーするための補助金、場合によっては単費も含めた制度設計の必要性を強調した。
 農水省など国もウクライナ情勢を踏まえた生産資材高騰に対応する支援策や補助などを示しており、座喜味市長は「補助制度がいくつもあるが、最も効果的な支援の仕方を検討する。国、県の資材高騰に係る部分がどれだけか分からないが、補助だけでなく単費も含めて考えたい」との認識を示すとともに、「農業やめたいという声も出てきかねない。対応しなければいけない」と強調した。
 キビ収穫管理支援事業は、2021年度当初及び補正、22年度当初の各予算案に計上されたものの、野党の反対多数で削除された経緯がある。ことし3月定例会では野党提案のキビ支援の1億7227万円を削除し、農薬・肥料補助を一律30%とする修正案が議長採決で可決した。
 座喜味市長は再議も含めて事業執行に強い意欲を見せていた。今回は、ウクライナ情勢が大きく影響し、国内の肥料や農薬、飼料など農業のあらゆる分野で生産資材が高騰している状況を踏まえ、キビをベースに農業全般の支援策をまとめることで、議会の理解を得たい考えだ。

関連記事一覧