がん患者支援団体 座喜味市長に支援拡充要請

 がん患者支援団体ゆうかぎの会(真栄里隆世会長)と、まんま宮古(深沢麗子会長)と日本オストミー協会沖縄県宮古支部(下地一正支部長)らは2日、市役所を訪れ血液がん患者の支援拡充を座喜味一幸市長に要請した。真栄里会長は、市内に常駐する血液がんの専門医がいないため頻繁に渡航をする費用などの重荷を訴え、座喜味市長は「体制整備が必要だ」と応じた。
 真栄里会長らは座喜味市長に①島外治療の渡航費など助成金拡充②ひとつのがん治療に対し5年を超える通院にも助成③県立宮古病院への血液専門医配置④同院への無菌室などの治療環境整備―を要請した。
 市はがんなど難病の患者で市外での治療が必要と認められた場合に航空運賃を往復で13000円、宿泊費8000円をそれぞれ限度として2回助成し、放射線治療が必要な場合は3回助成する。
 白血病などの血液がんは抗がん剤での化学療法が主で、島外治療の助成金は年2回が限度。県立宮古病院には2015年に血液専門外来が開設され、現在は月に3回専門医の診療が受けられるが、真栄里会長によると化学療法のさじ加減が難しく、病気が急に悪化した場合などに専門医が常駐していないと島内で適切な治療が受けられないという。
 真栄里会長は「過去に沖縄本島で治療していた方は経済的にも体力的にも限界を感じ、命をあきらめる決断をした。仕事につけないなかでの治療は大きな出費がのしかかる。支援を心からお願いしたい」と訴えた。
 座喜味市長は「県も医師不足に苦労しているようだが、八重山市町村会で働きかけたい」と答えた。

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