座喜味市長(左から3人目)が5団体に認定証を交付した =市役所

宮古島市 自主防災組織5団体を初認定

 宮古島市(座喜味一幸市長)は1日、城辺地区の西中、平良地区の池間、下地地区から川満・上地・与那覇の5自主防災会を、市で初めての自主防災組織に認定した。市は「自分たちの地域は自分で守る」を合言葉に同組織の結成を推奨し、育成と指導の強化に努めている。市役所で5団体に認定証を手渡した座喜味市長は、「住民の命を守るためには地域の自主的な力が必要」と述べ、行政と市民が連携した安心安全な町づくりを呼び掛けた。
 自主防災組織は、災害発生時に住民が連携を取り、互いの身を守るための防災活動を行うもの。市によると、阪神・淡路大震災で救助された人の約8割が家族や近隣の人たちに助けられている一方、消防などの行政機関に救助された人は5%未満だったという。
 災害による被害を最小限に抑えるためには、自分の命は自分で守る「自助」、自分たちの地域は自分たちで守る「共助」、行政や防災関係機関による救助や援助の「公助」の連携が必要として、自主防災組織の結成を呼び掛けている。
 市では2012年、城辺地区で西中自治会が初めて自主防災会を設立。19年に下地地区の川満、20年に池間島、21年に下地地区の上地と与那覇で結成され、各種訓練や勉強会などに取り組んでいる。市は宝くじ社会貢献広報事業(コミュニティ助成)を活用して、チェーンソーなどの資機材整備を支援しているという。
 また21年度、自主防災組織の育成、指導を強化するために「育成指導要綱」を定めており、同要綱に基づき、5団体に市初の自主防災組織認定証を交付した。
 座喜味市長は交付式で「市でも大雨や突風などさまざまな災害があるが、市民の命と安全を守るためには、行政だけでなく地域の自主的な力が必要。最前線での活動に心から感謝する」と述べるとともに、「さらに多くの地域に組織が広まるよう市としても支援を強化する必要がある。皆さんと一緒になって頑張っていきたい」と呼び掛けた。
 5団体を代表して西中自主防災会の友利盛三郎会長が「『自分たちの地域は自分たちで守る』をスローガンに組織を結成して10年が経ったが、4つの地域が仲間に加わって心強く感じる。5年に一度の県総合防災訓練参加など、今後も頑張っていきたい」と話した。

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