平良で竜巻 トレーラーハウス全壊など被害多数
28日午前6時30分から50分ごろ、平良荷川取から西仲宗根にかけて強い突風が吹きトレーラーハウスが全壊したほか、みやこゴルフレンジの支柱が損壊するなどの被害があった。現地調査を行った宮古島地方気象台は同日、突風は竜巻の可能性が高く、風速は約35㍍と推定されると発表。明け方から朝にかけて宮古島市に記録的大雨をもたらした積乱雲の影響と見られる。市内各地では道路やほ場の冠水、広範囲の停電などさまざまな被害が生じた。
突風による被害は平良西仲宗根のみやこゴルフレンジから、同荷川取の宿泊施設にかけて帯状に発生。調査を行った宮古島地方気象台は、▽被害域が明瞭な帯状分布であった▽激しい風はごく短時間であった▽「ゴー」という音の移動―から、突風の原因は竜巻の可能性が高いとした。
みやこゴルフレンジではネットを支える柱が2本折れたほか、ワイヤーを固定するために地面に埋め込んでいたコンクリート塊が引き抜かれるなどの被害が発生。関係者は「台風などで強風が予想されるときは早めにネットを下ろすなど対策していたが、今回は突然で全くの予想外だった。保険が降りるか心配」と嘆いた。宮古島地方には大雨警報と雷注意報は出ていたが、強風注意報や竜巻注意報は発表されていなかった。
平良荷川取のホテルではトレーラーハウスが全壊したほか、吹き飛んだ建物の破片が駐車中のレンタカーに衝突するなどの被害があった。近くのガソリンスタンドにも破片の一部が飛んだが、竜巻のコースからわずかに外れており、大きな被害はなかったという。
気象台のほかにも市・警察・消防など関係各機関が被害調査を行っていた。