長雨が続く中で疫病が発生した影響もあり今期葉たばこの収穫作業を急ぐ農家 =宮古島市下地地区ほ場

22年産葉たばこ 長雨で疫病まん延

 宮古島地方は5月に入って梅雨前線や湿った空気の影響で雨の日が多くなり、収穫期となっている葉たばこで疫病(ボタモチ病)がまん延するなど被害が深刻化しそうな気配だ。関係者によると、収穫は5割を超えているが、被害を最小限にしようと栽培農家は雨の中でも収穫作業を急いでいる状況となっている。
 各地の栽培ほ場では、雨が多くなり始めた影響で疫病が発生し、緑色の葉が次第に黄色に変色し、早い地域では5月上旬には葉先から茶色に変わるなど被害の拡大が心配されていた。
 県たばこ耕作組合の太田彰組合長(上野)は、長雨の影響で疫病がまん延しているとし、「熟度を見て、収穫できるものは早めに採るようにしている。後植えは6月10日ごろまで収穫するが、雨がやまないとどうしようもない」と厳しい状況に悩まされているという。また、「収量が減るのは確実。かなり悪いが、どれだけ減るのか予想つかない」と語った。
 日本たばこ産業(JT)による2021年産宮古地区(宮古島市、多良間村)葉たばこ買入実績は、前年比4・43%増の21億5400万円だった。重量は2・54%増の1008㌧。10㌃当たり収量は宮古島234㌔、多良間249㌔。22年産の10㌃当たり収量目標は226㌔としていたが、長雨や疫病の影響で減少する見通しだ。
 JTは21年7月に22年産以降の作付けの廃止を希望する農家を10年ぶりに募集。この結果、全国で約4割に当たる1729戸が廃作に応じた。耕作面積は前年比で約34%減の3889㌶。応じた農家には、10㌃当たり36万円の協力金を支払う。宮古地区の22年産の栽培農家は前年比38戸減の73戸となり、面積は139・7㌶減の289・3㌶。

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