伊良部島で確認されたジュゴンの喰み跡 =環境省発表の資料より

宮古諸島3カ所にジュゴンの喰み跡 環境省

 環境省はこのほど、2021年度に行ったジュゴンの生態調査で池間・伊良部・来間の宮古諸島3島でジュゴンが海草を食べた喰み跡が確認されたと発表した。八重山を含めた先島諸島で20年度に続き喰い跡が見つかったことから、周辺海域にジュゴンが生息している可能性が高いことが改めて確認されたとしている。

 ジュゴンはオーストラリア近海から紅海まで広く分布する海棲哺乳類で日本は分布域の北限にあたるが、現在では沖縄島周辺の海域にのみ極めてまれに分布していることが判明している。環境省のレッドリストでも最も絶滅の高い種の一つとされているが、個体数が非常に少ないため、日本における生態には不明な点が多いという。
 沖縄本島北部と先島諸島で調査を実施。本島周辺では全ての地点で喰み跡は確認できなかった。宮古諸島3地点、八重山諸島7地点のうち、宮古・八重山それぞれ3地点ずつで喰み跡を確認。食べられた海草類の地下茎が露出していたため、地上部のみを食べるアオウミガメの喰み跡とは明確に異なるという。
 大型動物のふんを対象にDNAを調査したが、ジュゴンのDNAは検出されなかった。また、伊良部佐和田沖合ではジュゴンと形状が似ている大型生物がドローンで撮影されたが、解像度が不十分で特定に至らなかったという。来間島周辺では、モズク養殖地周辺の海草が広範囲でなくなることがしばしば目撃されたとの証言もあった。

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