コロナ禍も子牛高値 39億円で8.28%増
JAおきなわ宮古地区本部(下地誠本部長)の2021年度肉用牛セリ販売実績は39億148万円で前年度比2億9825万円、8.28%増加した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が長期化した中、月齢12カ月以内の子牛1頭当たりの平均価格は69万465円で7万6526円高と高値を維持した。子牛販売頭数は5323頭で198頭減少した。今後もコロナ禍の影響で先行きは不透明だがこの価格で推移すると見込まれ、頭数に関しては減少を抑えて現状の維持が課題になる。
21年度のセリ市別の販売額は宮古が30億4975万円で2億5176万円、9.0%増、多良間が8億5172万円で4649万円、5.77%増。子牛平均価格は宮古が70万2000円で6万7714円高、多良間が65万3075円で10万308円高。子牛販売頭数は宮古が4068頭で75頭減、多良間が1255頭で123頭減。
緊急事態宣言が長期間続いたが全国的な子牛不足などにより高値を維持したと見られている。JA宮古地区畜産振興センターの下地隆弘センター長は「安定した価格で推移した。今後もコロナ禍は予断を許さず先行きは不透明だが、価格は多少の上下はあっても暴落はないと思う」と話した。販売頭数の減少は高齢化による廃業に増頭が追い付かない状況にあり、行政関係機関と連携した取り組みが必要とし、「現状では頭数の減少に歯止めをかけ、上場頭数の確保が課題になる」と述べた。
19日にJA宮古家畜セリ市場で行われた3月期肉用牛セリ市は391頭(99.49%)が落札され、子牛1頭当たりの平均価格は69万8171円で前年同月比3万290円安、前月比4万2941円安となった。1~2月は高値が続いたが3月は上場牛にバラつきが目立ち価格を下げた。
成牛を含めた総販売額は2億5157万円。子牛価格の内訳は去勢が75万1091円で前年同月比3万1844円安、前月比3万6879円安、牝は60万6725円で前年同月比5万3825円安、前月比4万6004円安。1頭当たりの最高価格は去勢が104万7200円、牝が94万6000円。平均体重は去勢が286㌔、牝が263㌔で合計278㌔。また成牛の平均価格は26万9918万円で前年同月比2万6165円安、前月比6万5604円安。