多良間村議会 農畜産業と観光連携
【多良間】伊良皆光夫村長は8日に開会した多良間村議会3月定例会で2022年度施政方針演説を行い、新型コロナウイルス感染症で社会が大きく変化する中、村民の生命を守り地域経済を支えることを根幹とし、持続可能な後世に引き継げる多良間村実現に全力で取り組んでいくと表明した。地場産業の活性化では引き続き農畜産業を主体に観光産業との連携による特産品開発や雇用創出を図っていく。
伊良皆村長はコロナ禍によって「社会の大きな変わり目にあって政策を実行する姿勢を見直さなければならない局面もある。まずは村民の命を守り、地域経済を支え続けることを根幹に据え、いま必要とされることを迅速かつ的確に実行することが基本」とした上で、「先行きを見通すことが難しい時代の中でも持続可能な多良間村を実現するため常に変化に対応し、変革へとつないでいかなくてはならない。さまざまな課題に対して真摯に向き合い、しっかりと難局を乗り越えることで村民の笑顔、胸を張って後世に引き継げる多良間村の実現に全力を尽くしたい」と語った。
サトウキビ作は豊作が続いているが黒糖の在庫問題があり、分蜜糖の糖価調整制度と同様に含蜜糖にも交付金制度を新しい沖縄振興計画等に創設するよう引き続き要望する。観光はコロナの影響で働き方や住み方が流動化していることから「第2のふるさと」づくり、「何度も地域に通う旅、通える旅」を推進・定着させる必要があるとしている。
災害に強い村づくりに向け、災害時の情報伝達と高速通信強化を図るためFTTH設備の整備を進めていく。今年1月のトンガ沖海底火山噴火に伴う津波注意報は夜間の発生で、日頃の訓練にはないさまざまな課題が浮き彫りになったとして改善に取り組む。水道事業では地震災害時も安定供給するため自家発電設備、水道施設・設備の更新を計画的に進めていく。
人口減少・過疎対策では移住・定住のための雇用確保、住宅および教育・子育て支援などを総合的に取り組む必要があるとし、U・Iターン希望者の住宅利用環境を整備するため村営住宅やコンテナハウスの増設に取り組んでいく。
新年度予算案については「これまで進めてきた財政健全化の成果を発揮し、必要な財源を確保するとともに最小の経費で最大の効果を挙げるため、選択と集中による歳出の重点化を徹底し、メリハリの効いた編成にした」と述べた。