宿泊税導入向け検討
宮古島市観光推進協議会(会長=座喜味一幸市長)が21日、市役所で行われ、入島協力金制度の徴収方法として法定外目的税の宿泊税の導入に向けて検討を進めることを確認した。クルーズ船利用客に関しても別の方法での徴収を考えていく。観光地の美化や整備、受け入れ体制強化などの財源として活用する。次年度以降は市の税務部署も交えて具体的な制度や条例について検討するほか、住民や事業者の意向調査、県との調整などに取り組む。
現在、宿泊税導入を進めている県の条例案に基づいた素案では、市内の宿泊施設等の宿泊者を対象に1泊当たり宿泊料金2万円未満は200円、2万円以上は500円の税率を設定し、税収規模は2019年度の観光客数等で試算すると1億9200万円、20年度では1億100万円。課題として民泊の取り扱いや年齢・修学旅行などの免税の設定などを挙げている。
入島協力金制度は宿泊税のほかに入島税、任意の入島協力金を候補に検討を進めてきた。入島税は市民も観光客と同じ負担が必要となり、入島協力金は強制力がないため財源確保に不安定要素がある。市民の理解を得やすく、実現の可能性などを考慮して宿泊税に絞り込んだ。
出席した委員からは「県の条例制定スケジュールが遅れている。市が先行して取り組んでも良いのでは」「税率など市が先行する場合でも県とのバランスを取ってほしい」「宿泊税には賛成だが、宿泊事業者はどうなのか。徴収体制や経費はどうするのか」などの意見があった。
座喜味市長は「宿泊税を中心に条件整備を検討していく。宿泊業界には導入の目的をしっかりと説明していく。クルーズ船にも協力を求めていくが、何のために使うか示せば理解を得られると思う」と述べた。
次年度は税の具体的導入の可否、徴収の方法、条例の制定などを市の税務担当部署も交えて検討する。住民や観光事業者、観光客の意向を知るための各種アンケートの実施、議会への説明も行っていく。具体的な使途や管理方法にも取り組む。宿泊のないクルーズ船観光客には施設使用料や協力金など別方法での徴収を検討する。