抗原検査の無料臨時会場が設置される西里通り裏の市有地 =平良西里

内閣府 会食前に陰性確認可能に

内閣府は宮古島市と石垣市で、抗原定性検査キットの使用感比較調査を行う。ポストコロナ時代に検査を当たり前に受ける環境を想定し、抵抗感を減らし検査を受けやすくするための手法を検討するもの。3種類の検査キット計1500個を使い切るまで無料で検査が受けられる。宮古島市では西里通り裏の市有地に臨時会場を設置し、24日から開始する見込み。「まん延防止」解除後も厳しい状況が続く飲食店関係者からは試みを歓迎する声が聞かれた。

 PCR検査は結果判明までに時間が掛かるが、抗原検査は5~15分ほどで結果が分かる利点がある。人が多く集まる市街地に検査場を設けることで、会食前に陰性を確認してから入店することが可能になる。
 内閣府が技術実証を行ったところ、入店前の抗原検査に対し好意的な意見を多く得たが、一部の受験者から検査に時間が掛かるという意見もあったという。検査キットの改良による判定時間の短縮は難しいため、キットの使い勝手や結果通知方法の工夫により、検査に対する抵抗感を減らす方法を模索する。
 来場者には3種類の検査キットからランダムで一つを渡し、自己採取で検査を行う。アンケートで使い勝手、判定時間・結果通知方法などキットに対する評価を集める方針。検査キットの価格は800~4200円と様々だが、1500個分を無料で提供する。結果通知にスマートフォンが必要なものもある。
 宮古島市の「まん延防止措置」は7日付けで前倒し解除されたが、多くの飲食店では時短営業が終了しても客の戻りが鈍いのが実情だ。沖縄県など5県は20日で終了するが、17道府県は3月6日まで延長することが決定された。
 西里通りで居酒屋を経営する男性は「19日から営業を再開するが電話もほとんど鳴らない。暇ほどつらいものはないし、店を開けたくないのが本音」とこぼす。
 無料抗原検査が行われることについては「どれほど効果があるかは分からないが、そういった試みをしてくれることがありがたい。市民の意識が前向きになり、安心して外出しようという気持ちになることを期待する」と話した。
 調査は24日から始まる見込みで、検査受け付けは正午~午後8時の予定。

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