県、来年度予算案 今年度比694億円増
【那覇支局】玉城デニー知事は7日、2022年度の一般会計当初予算案を約8606億円とすることを発表した。前年度比694億円(8.8%)増となる。昨年度に続き、過去最高額となり、初めて8000億円を超えた。新型コロナ対策費約1281億円などが総額を押し上げた。離島振興として、新たに離島地区情報通信基盤高度化事業に13億円などが盛り込まれた。予算案は15日に開会する県議会に提出される。
新型コロナ感染対策予算で新たな事業としては、コロナ禍で売り上げが落ち込んだ事業者を支援する「おきなわ事業者復活支援金」に約21億3300万円、旅行需要を喚起する「GoToおきなわキャンペーン事業」に約376億5600万円を計上した。空港で実施しているPCR検査体制の整備のために「旅行者検査実施支援事業」を拡充し、約3億5200万円を計上する。
離島関係では、新たに離島のオンライン教育などのデジタル社会の推進のための海底の光ケーブルの設備強化に13億200万円、デジタルマーケティングの販路拡大などを支援する「離島デジタル広報・販売スキル向上支援事業」に6000万円、DX(デジタルトランスフォーメション)化を進める促進事業に約4200万円、医療体制確保の支援として約5293万円を盛り込んだ。農作物などの輸送費を支援する「条件不利性解消事業」には21億7800万円を計上する。
玉城デニー知事は「22年度は本土復帰から50年を迎える節目の年であり、新たな振興計画がスタートする重要な年となる。新たな振興計画に掲げた取り組みを推進するとともに変化する社会情勢や県民ニーズ捉え、的確に対応していく」と話した。
歳入面では県税が1413億円と今年度より209億円(17.4%)増加した。法人税や県民税が想定よりも増える見込みだという。それに伴い、県債は385億円と今年度より271億円(41.3%)減少した。