米国での商標登録書と節照たれを手にする中嶋代表
=上野宮国、島唐食品
宮古島産「たれ」で世界へ
国内企業の海外支援を行うジェトロ(日本貿易振興機構)はこのほど、「海外展開支援活用事例集」の全国58社のうちのひとつに、宮古島市の島唐食品(中嶋哲也代表)を選んだ。同社が開発した「節照たれ」の拠点設立に至った過程を紹介。事例集で県内の加工食品が選ばれるのは初めてという。
同社はジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」を活用し、昨年8月に節照たれの米国向けの認証手続きを完了させた。すでに米国、台湾、シンガポールに販路を持ち、現地でも好評を得ている。現在は米国への大口輸出に向け調整段階に入っている。
事例集では同社を「輸出経験ゼロから高い目標を掲げ、離島かつ小規模経営という不利でハードルの高いスタートから、課題を一歩一歩クリアし進めている」と高く評価。「離島フェア2021」で沖縄県知事賞を受賞し、東京のテレビ企画で高評価を受けたことなども輸出意欲に弾みを付けたと紹介している。
中嶋代表は名古屋出身。料理人、加工食品開発者として30年間以上、食品業界に従事してきた。たれの開発を目指し素材探しをする中、伊良部島のカツオに出合い開発に至ったという。中嶋代表は27日、「宮古の農水産物を海外に高く売れるようにし地域振興に寄与したい」と意欲を語った。