市社協フードバンク「んまんま」には食料寄付が日々寄せられている=提供写真

フードバンク好調「周囲に伝えて」

 市社会福祉協議会(饒平名建次会長)のフードバンク「んまんま」が好調だ。この事業は食料寄付を募り生活困窮者に届けるもの。新型コロナウイルス感染拡大で困窮者が増えることを懸念し気遣う団体個人から日々食料が届いている。関係者らは5日、失業者が増えている可能性を指摘。周知不足の恐れもあるとし、市民に告知の協力を呼びかけた。

 宮古公共職業安定所の担当者は失業率について「肌感覚では昨年4月以降増えている。解雇、離職に伴う手続きが今年度は夏まで続いた」といい、「先月26日に新型コロナ感染者数34人を記録して以降、訪れる求職者も半数近く減った。失業中だが活動できない人もいる可能性はある」とした。
 野外フェスティバルなどさまざまな手作りイベントを手掛けるチェ・ゆうやさん(33)も「自分の周囲だけでもコロナ以降20人以上は失業している。困窮者は増えているはず」と語った。現在、住居を失った人のためのボランティア活動を計画中という。
 フードバンクに集まった食料は、各施設のほか生活相談員がサポートする困窮者にも必要な場合、届けている。相談員は平良2人、下地・上野1人、城辺1人、伊良部1人の計5人。事業担当の松下智美さんは「最近は年代関係なく相談申し込みがある。建設関係でも工事がストップした時、雑務担当の若者なども来ている」と語った。
 平良担当相談員の一ノ瀬和美さんは「ギリギリの状態まで追い込まれ、初めて相談を申し込む人が本当に多い。遠慮してなかなか手を上げられないのではないか。身内が支えようとした結果、苦しみの連鎖につながる例もある」と話す。
 食料配布については「まだ知らない人が多い可能性も十分ある。困っている人が近くにいたら、周囲の人からぜひ知らせてほしい」と協力を呼びかけた。

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