香川大名誉教授がロマンス詐欺被害を衝撃告白 法律の専門家がなぜ…
香川大学名誉教授で法学者の高倉良一氏は、ロマンス詐欺被害に遭って約925万円を騙(だま)し取られた体験を実名で公表した。ロマンス詐欺とは、SNSなどを通じて出会った者と直接会うことなく、恋愛感情・親近感を抱かせ、金銭等を騙し取る行為だ。
高倉氏はニュース番組の取材や文春オンライン(文藝春秋)での告白記事のほか、自身の体験をまとめた書籍「70歳の法学者が、なぜロマンス詐欺に騙されたのか」(さくら舎)を出版している。
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法律の専門家がどのような手口で騙されていったのか。本人の告白によると、定年退職時の「研究室の片付け」に関するFacebook投稿に対し、中国在住を名乗る“愛子”から「本の断捨離に興味がある」とメッセージが届いた。
相手は平和論や人権といった深いテーマで高倉氏の意見に同調し、知性や自尊心をくすぐりながら「志を共にする大切なパートナー」と錯覚させた。そして、高倉氏は「縁を信じるか」という相手の問いかけが、ハードルを乗り越えるきっかけになったと話す。ただ、相手への感情は恋愛感情ではなかったという。
しばらくたつと「伯父が有名な経済専門家で特別な情報がある」と投資話を持ちかけられ、偽の投資アプリ等を使って利益が出ているように見せかけられた。段階的に振り込みをさせられ、最終的には老後資金や親友からの借金なども含め、騙し取られた金額は振り込み7回で計925万円に上った。
高倉氏は警察に被害届を出したが、判明したのはLINEの発信元が中国ということだけだった。「みっともない」と言われることを覚悟の上で高倉氏が公表したのは、「自分は大丈夫」「賢いから騙されない」と思っている人ほど狙われやすいという危険性を社会に訴え、これ以上の被害者を出さないための警鐘を鳴らすためと話す。
詐欺被害は後を絶たず、被害総額は1800億円超に膨らむ
実際、ロマンス詐欺(SNS型)の被害は急増している。有名人の画像を勝手に使ったSNS広告などで投資を勧誘して金銭を騙し取る「SNS投資詐欺」と合わせた被害は、警察庁の統計によると、2025年の認知件数は1万5168件(前年比48.2%増)、被害額は1834億3000万円(同44.2%増)に達した。
1件あたりの平均被害額は約1200万円と高額で、一度騙されると人生の蓄えを一気に失ってしまうケースが後を絶たない。架空の取引サイトへ入金させる手口が定番化している。
高倉氏のケースは5カ月間のやり取りだったが、時間をかけてじっくりと心理的に依存させるやり方が主流で、最近では生成AIを使った画像や偽動画、音声を用いて「実在する魅力的な人物」になりすますケースも増えている。
ロマンス詐欺で加害者の逮捕が報じられることは珍しいとされるが、元プロテニス選手の平木理化容疑者が先週、現金30万円を騙し取った疑いで逮捕された。全仏テニス優勝の名プレーヤーだけに、プロテニス界には衝撃が走った。
平木容疑者は容疑を否認しているが、警察発表によれば、同容疑者は“フランスの病院で働く整形外科医の男”になりすましていたということだ。
文/横山渉 内外タイムス






