• 全国
  • 若者の投資信託購入は9年で約3倍に急増 食費や推し活を削る「NISA貧乏」の実態
  • HOME
  • 全国
  • 若者の投資信託購入は9年で約3倍に急増 食費や推し活を削る「NISA貧乏」の実態

若者の投資信託購入は9年で約3倍に急増 食費や推し活を削る「NISA貧乏」の実態

スマホで手軽に資産運用ができる時代になり、20代の間でも投資が急速に身近なものになっている。金融経済教育推進機構が公表した2025年の調査によると、18歳から29歳の若年層で投資信託を買ったことがある人の割合は28・7%に達した。2016年の調査ではわずか9・6%だったため、この9年間で約3倍に増えた計算だ。

ンサイダー取引で普通の人が捕まる時代「LINEで聞いた」「SNSで見た」でも危険なケースとは

背景には、物価高によって現金の価値が目減りしていくことへの不安や、将来の年金制度に対する不透明感がある。さらに2024年から新NISAが始まり、非課税で投資できる枠が大きく広がったこともブームを後押ししている。

一方で、将来への不安から毎月の投資を優先しすぎるあまり、今の生活が苦しくなってしまう「NISA貧乏」に陥っている人が増えており、国会でも話題になった。政府の目標に向けて口座数が右肩上がりに伸びる一方で、個人の家計管理のあり方が改めて問われている格好だ。

SNS上では「毎月○万円積み立てている」「早く上限まで枠を埋めるのが正解」といった投稿が日々流れてくるため、周囲と比較して焦ってしまう人も少なくない。ある調査では、20代がNISAに回す月々の平均額は約3万4432円。

自分の趣味や遊ぶためのお小遣いを削って投資額を増やす傾向が強まっており、収入にあまり余裕がないうちから、無理をして投資口座にお金を送り続けるケースが目立つ。

ネット上でも、「将来どうなるか分からないから、今のうちに少しでも備えるしかない」「投資で資産が増えていくのは楽しいが、今の楽しみを削ってまでやることなのかは正直わからない」「周りが投資枠を競うように埋めているのを見ると、自分も負けていられないと無理をしてしまう」といった声が聞かれる。

本末転倒な生活を送る20代

週末の作り置きや昼食代のワンコイン制限で生活を切り詰めたり、アイドルの推し活にかける資金を抑えてライブ参加を泣く泣く見送ったりするなど、現在の生活の充実とお金のバランスに悩む姿が浮かび上がっている。

投資で大事なのは、長期間にわたって無理なくコツコツと続けることだ。毎月の生活費を削ってまで投資に回してしまうと、急な病気や引っ越しなどでまとまったお金が必要になったときに、手元の現金が足りなくなる危険がある。

もし株価が下がっているタイミングで無理に解約すれば、結果的にお金を減らすことになってしまい、何のために投資を始めたのか分からなくなってしまう。

本来、投資は人生を豊かにするための手段であり、目的そのものではないはず。目先のお金を増やすことだけに意識が向いてしまえば、長期的な視点での資産形成も破綻しかねない。まずは数カ月分の生活費を貯金として確保し、あくまで「使わなくても困らないお金」で運用するのが基本のルールだ。

また、20代のうちは資格の勉強をしたり、旅行に行って新しい経験をしたりする「自分への投資」も同じくらい価値がある。今しかできない体験を犠牲にしてお金を増やすことだけに集中する生活は、少しもったいないのではないだろうか。投資は将来をラクにするための道具であり、今の暮らしを犠牲にしないバランスの取り方が大切だ。

関連記事一覧