• 全国
  • 社保滞納で差し押さえ 居酒屋運営の海帆、今度は「借金」を返せず経営危機か
  • HOME
  • 全国
  • 社保滞納で差し押さえ 居酒屋運営の海帆、今度は「借金」を返せず経営危機か

社保滞納で差し押さえ 居酒屋運営の海帆、今度は「借金」を返せず経営危機か

居酒屋「昭和食堂」「えびすや」などを運営する海帆が、深刻な経営危機に直面しているようだ。連結子会社のKaihan Medicalが、ヘルスケア企業のイメージワンから借り入れた1億2500万円を、返済期日の9月30日までに返済できなかったのだ。

海帆は短期借入金を返済することを目的に、6月30日にKaihan Medicalを通してイメージワンから1億2500万円、投資などを手掛けるHATASE HOLDINGSから7800万円を借り入れた。年利3%で借りているHATASE HOLDINGSには7月15日付で6000万円を返済。残りの返済期限を11月30日まで延長することで合意している。

窮地に立たされた居酒屋「昭和食堂」運営の海帆 年利15%で資金を借り入れる緊急事態に

イメージワンの借入利率は年利15%。消費者金融での借り入れと同レベルの高金利だ。3カ月間のつなぎ融資だが、未払い利息は470万円を超えている。遅延損害金は20%に設定されており、返済や交渉が長引くほど、負担は膨れ上がる。

海帆は7月15日に居酒屋「新時代」など16店舗を売却することを決議。売却に伴う特別利益1億7200万円を計上すると発表していた。しかし、本来9月30日に終える予定だった売却関連の各種手続きが終わらず、10月31日に作業を終えるスケジュールに変更した。

これにより、事業譲渡に伴う特別利益を計上する時期は、本来の2027年3月期第2四半期(2026年7月~9月)から第3四半期(2026年10月~12月)へと後ろ倒しとなった。入金のタイミングは明示されていないが、資金の確保に不確実性が増した形だ。

海帆は、滞納していた約3900万円の社会保険料について、日本年金機構から差し押さえを受けている。給与の支払いの遅延が起こっているとも報じられており、資金がひっ迫する深刻な経営危機に陥っている可能性が高い。

「アマゾンに売電」いまだ本格稼働せず

海帆は飲食店経営の他に、再生可能エネルギー事業を手掛けている。同社がビッグプロジェクトとして掲げていたのが、米Amazonのグループ企業である「アマゾンデータサービスジャパン(以下アマゾン)」との長期売電契約だ。

海帆は必要な供給量を確保するため、アマゾン専用の太陽光発電所などの開発に乗り出したが、建設資金の調達の遅れなどによってプロジェクトは計画通りに進まなかった。

当初、2025年3月末から設備全体の90%以上で、同年6月末から設備全体の100%で売電を始めるはずだった。しかし、売電は予定通りに始まらず、100%の売電開始期限は2026年3月末へ延長された。

ところが、この延長した期限も守れず、7800万円の遅延損害金を支払った上で、今度は売電時期を2026年9月末に設定した。延期を重ねた売電だが、これまで開示された資料において「全案件の売電を開始した」との情報は確認できない。

9月30日はイメージワンへの支払期限と、アマゾンへの電力供給プロジェクトの開始という大きな山場を迎えた日だった。しかし、返済は滞り、売電事業についても全面稼働を確認できない状況にある。

先行投資ではなく「先行融資」か

イメージワンは、Kaihan Medicalに貸付を行う際、本業のヘルスケア事業とのシナジー効果を評価していた。短期的な資金支援で「協調姿勢を明確に示し、今後の具体的な事業提携に向けた実効性のある関係性を迅速に構築する」と説明している。

しかし、Kaihan Medicalの純資産は約1900万円で、2026年3月期に2億1700万円の純損失を計上している。つまり、イメージワンは、債務超過の危機にある会社に融資をしたことになる。

イメージワンは、海帆の社会保険料が差し押さえられている状況を、IR情報から把握していたはずだ。それでも融資を実行したのは、アマゾンへの売電によって海帆の信用力が増すことへの期待があったからではないだろうか。

売電事業の稼働がさらに遅れれば、期待される収入の確保も遅れる。発電所の稼働と返済原資の確保が、海帆の経営を左右する焦点となりそうだ。

文/不破聡 内外タイムス

関連記事一覧