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旧統一教会総裁の居室から現金約260億ウォン、日本円も押収…日本からの献金との関係に注目

書棚のように見える壁面金庫を開けると、帯封の付いた現金の束が現れた。さらに旅行かばんの中にも札束が詰め込まれていた。総額は約260億ウォン、日本円で約30億円に上る。

映画の一コマのように思えるが、場所は韓国・京畿道加平郡にある世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の施設「天正宮」。その内部にある韓鶴子総裁の居室だった。

韓国の検察と警察による「政教癒着不正合同捜査本部」が、8月末の捜査結果発表に合わせて金庫や現金の写真などを公開した。

現金は韓国ウォンだけではない。日本円や米ドルも含まれていたという。

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政界工作の捜査から「私金庫」へ

今回の捜査の発端となったのは、教団と韓国政界との関係をめぐる疑惑だった。

合同捜査本部によると、教団側は2019年9月から2025年1月にかけ、国会議員ら132人に計218回、約1億8800万ウォンの違法な政治資金を提供した疑いがある。教団関係者の個人名義を利用し、資金を分割して渡すなどの手法が取られていたという。

一方、合同捜査本部は、韓総裁らが2017年から2025年にかけ、教団資金約105億ウォンを横領したとして起訴した。海外宣教師への支援金などの名目で虚偽の会計処理をしたり、現金で受け取った献金を会計に計上しなかったりした疑いである。

その捜査の過程で、韓総裁の居室にある個人金庫などから大量の現金が発見された。

ただし、横領容疑がかけられたのは約105億ウォンであり、今回押収された約260億ウォンの全額が横領資金と認定されたわけではない。

日本は「新日本」に 解散命令後も信者に献金基準提示

今回、注目されているのが、押収された現金の中に日本円が含まれていたことだ。

旧統一教会にとって日本は、長年にわたり重要な資金源と指摘されてきた。

日本では今年6月、教団の宗教法人としての解散命令が確定し、現在は清算手続きが進められている。ただし、解散命令は宗教活動そのものを禁止するものではない。法人格を失った後も、宗教団体として活動することは可能だ。

そうした中、日本での献金募集が続いているとする報道を行ったのが、韓国の週刊誌「時事ジャーナル」だ。

同誌によると、今年8月に行われた世界規模の献金キャンペーンでも日本は対象から外されず、教団内部では日本を「新日本」と呼んでいたという。

同誌が確認した教団内部文書には、日本の信者について、1家庭当たり1万3000円以上、成人未婚者については7000円以上という献金基準が記載されていたとされる。

「お母様の解放」のための献金

献金募集の背景には、韓総裁の刑事裁判もあったようだ。

時事ジャーナルによれば、教団の内部文書では韓総裁の司法手続きを「お母様の完全な解放と釈放」のための「精誠」(真心を込めて行う宗教的な実践)と位置付け、信者に献金を呼びかけていたという。

それでは韓総裁の居室に保管されていた日本円は、どこから来たのか。

もし日本から集められた資金が含まれていることが確認されれば、日本法人の清算手続きや旧統一教会の被害者救済との関係で、新たな焦点となるのは間違いない。

文/五味洋治 内外タイムス

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