令和の米騒動から一転、26年産新米価格は45%値下げも JAは新米を政府が備蓄米として買い戻しをするよう要請
2024年から翌2025年にかけて、各地で米の買い占めと品薄が発生し、米の価格が全国的に高騰した“令和の米騒動”は収束の兆しを見せている。その一方で、一部メディアは秋から本格的に出回る2026年産の新米について、「前の年より安くなる可能性が高まっている」と伝えている。
コシヒカリ3000円以下に コメの価格急落、鈴木農相の“古い”農政が招いたツケ
関係者によると、早場米である鹿児島県産のコシヒカリについて、JAが生産者に渡す前払い金に当たる「概算金」が、前年と比べて約2割引き下げられるとのこと。その理由として、米の在庫が積み上がって価格が下落していることが影響しているという。また、他の産地もこの早場米の動きを参考に価格を決めるため、2026年秋以降に本格的に出回る新米が、前年よりも安くなる見通しだという。
現在、同県種子島・南種子町では毎年3月に田植えをした新米の収穫が最盛期を迎えている。JA種子屋久によると、今年は天候に恵まれ、発育、品質ともに良好で、収穫量は平年並みの711トンを見込んでいるという。
だが一方で、JA県経済連が鹿児島県内のJAから買い取るコメの価格は、過去最高水準だった去年より2割程度下がった。また、本州への出荷量が多い宮崎県産コシヒカリの早場米の概算金は、前年の玄米60キロ当たり3万2600円から45%値下げし、1万8000円とすることが決定。農家が複雑な思いを抱えているのも無理はない。
急転直下の下落劇の背景には、コメの民間在庫量が例年より大きく膨らんでいることがある。コメ余りで価格が下落するとの懸念が強く、5キロ4000円超で推移していたスーパーのコメ価格も今年に入ってからは下落基調となり、今月に入ると約1年半ぶりに3500円を下回っている。
鈴木憲和農林水産相は先月、首相官邸に買い戻しの実施を打診。関係者によると、価格が高止まりすれば、物価高の国民生活に悪影響を及ぼすとして、官邸は反対の意向を示したという。
業界からは、備蓄米を早急に買い戻し、需給の引き締めを求める声が相次いでいるようで、JA福井県中央会の宮田幸一会長は今月9日、東京都内で稲田朋美衆院議員と今洋佑衆院議員に要請書を提出。
JA福井県中央会は、このままでは今年秋に収穫される新米の価格が下がる恐れがあるとして、今年の新米を政府が備蓄米として買い戻し、市場に出回る量を抑えるよう求めていた。
自民党の水田農業振興議員連盟は14日、「買い入れおよび買い戻しの速やかな実施に向けた準備」を求める緊急決議を鈴木農水相に手渡し、全国農業協同組合中央会(JA全中)の神農佳人会長は16日の記者会見で、「早急に100%まで備蓄をするべきだ」と訴えた。
5キロ当たり2000円まで下げる方針で備蓄米を放出しまくった結果、回ってきた“ツケ”は深刻な状況をもたらしているようだ。






