「泳げない子」が増えている現実 公立中学で進む水泳授業の廃止
先ごろ、全国の公立中学校の約2割が昨年度、水泳授業を実施していなかったことがわかった。スポーツ庁が今年春ごろから全国の公立小学校と中学校を対象に昨年度の水泳の授業について調査したところ、小学校では99%が実施していたのに対し、中学校は5校に1校にあたる22.8%が実施していなかったことが明らかになった。
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中学校での水泳授業の実施にあたり、施設や環境面での課題として最も多く挙げられたのが「暑さへの対応」で61.1%だった。次に「プールの老朽化対策」と「水質管理などの業務」がそれぞれ約50%だった。
近年、水泳の実技授業を取りやめる学校が増えている。その要因としては前出の調査でもあったように、プールの老朽化や指導教員の負担、熱中症への警戒のほか、生徒の水着への抵抗感などがあると指摘されている。
「公立小中のプールは1960〜70年代に建設されたものが多く、維持費は年間200万円超、改修には1〜2億円かかるといわれます。自治体への負担が大きく、水泳の実技授業の廃止や民間プールへの委託、複数の学校で1つのプールを共有したり、地域の公営プールを活用したりするプールシェア、座学への変更を実施・検討する自治体は少なくありません」(全国紙記者)
そんな時代を反映してか、埼玉県の調査では、「クロールで25メートル以上泳げる児童の割合」は、2001年には、男子で85.1%、女子で82.9%だったのが、2025年には男子で57.3%、女子で47.6%と減少。25メートル泳げない6年生が明らかに増えている。
水泳の授業は1955年、高松市沖で旧国鉄の連絡船「紫雲丸」が沈没し、修学旅行中の小中学生100人を含む計168人が犠牲になった事故を機に、小中学校の学習指導要領に学校のプール設置と水泳授業の実施が明記されることになったという。現在も学習指導要領では小学1年生から中学2年生まで、水泳の実技授業が必修とされているが「適切な環境が確保できない場合は例外が認められている」旨の規定があり、一部が授業を中止しているのが実情だ。
松本洋平文部科学大臣は21日の記者会見で「学校における水泳授業は水難事故から身を守るための力を育てることにもつながり、重要な教育的意義があると考える。持続可能な水泳授業を実施するための取り組みを検討、推進していきたい」と述べていたが、猛暑やプールの老朽化がすぐに解決するはずもない中、今後も公立中学校の水泳授業廃止の流れが続くのか注目される。






