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完全新作「プラグマタ」を成功させたカプコン ヒット作を生む惜しみない設備投資

カプコンの業績が好調だ。2026年4月~6月は売上高が前年同期比で1.5倍、営業利益は1.7倍近くまで拡大した。今年4月にリリースした「プラグマタ」が発売から16日間で200万本を突破。好業績に貢献した。

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カプコンは2027年3月期通期の営業利益を830億円と予想しているが、第1四半期の3カ月が経過した時点で、すでに営業利益予想の約50%を達成した。好スタートを切っているが、今年9月には「鬼武者 Way of the Sword」という大型タイトルの発売も控えている。

完全新規IPの「プラグマタ」はSFアクションアドベンチャーゲームだ。多くのアクションゲームは武器などで敵を攻撃し、撃破しつつ進むのが一般的だった。「プラグマタ」はそこにパズルゲームを組み込むことで、斬新なゲーム性を与えた。また、人間とアンドロイドが心を通わせる物語が丁寧に描かれており、ストーリー性も高く評価されている。

カプコンの2026年4月~6月の広告宣伝費は19億円で、前年同期間の約2倍に増加した。しかし、この金額は「ストリートファイター6」を発売した2023年4月~6月と同規模だ。完全新作IPは固定ファンがいないため、ゲームの面白さを広く認知させる必要がある。しかし「プラグマタ」は過去の新作タイトルと比べ、多額の広告宣伝費を投じているわけではなさそうだ。

斬新なゲーム性とドラマ性が多くの人を魅了している可能性が高い。

カプコンで突出しているのは研究開発にかける相対的な金額の大きさである。カプコンの有価証券報告書によると、2026年3月期はデジタルコンテンツ事業の研究開発費に548億円を投じている。売上高全体の28%に達する規模だ。

ゲーム企業の売上高に占める研究開発費は1割程度と言われており、3割近いカプコンは業界内でも高水準だ。

「ダウンロード版」を活用するカプコン

カプコンは、2023年に国内最大級の広さとなるモーションキャプチャースタジオを備えた「クリエイティブスタジオ」を新設した。クリエーターの想像力や表現力を最大限に引き出す環境を整備している。2027年竣工の新たな開発拠点も建設中で、設備への投資も継続的に行っている。

経営戦略として、強固な財務基盤を生かして成長投資を続けているのも特徴だ。カプコンが中期経営目標として掲げているのが、毎期営業増益10%以上というものだ。2016年3月期からこの目標を達成し続けている。

この戦略のカギを握るのが新作以外のリピート作だ。2026年4月~6月は販売本数全体の9割をリピート作が占めている。この期間では2023年3月発売の「バイオハザード RE:4」を243万本も売っているが、セールなどを活用して販売数を伸ばしているのだ。

カプコンのソフトはダウンロード版が9割以上を占めている。パッケージの製造や物流費などを抑えられるダウンロード版のリピート作を巧みに活用し、増益へとつなげる。利益を開発投資へと回し、新規IPを生み出す開発基盤を整えているというわけだ。

ゲーム会社は長い時間をかけて開発環境を整えてクリエーターを育成し、ヒット作を生み出すビジネスだ。カプコンは多額の研究開発費を投じていることに加え、2026年3月期に正社員一人当たりの年収は1000万円近くとなり、待遇改善も図っている。

経営や財務戦略がゲーム開発に結び付いている珍しい事例だ。

文/不破聡 内外タイムス

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