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韓国で来年から犬肉食禁止、違反すれば最高3年の懲役も 北朝鮮では「甘い肉」として国が奨励

日本では夏といえばウナギだが、朝鮮半島では古くから犬肉を夏場の滋養食として食べる習慣がある。しかし現在、その扱いは南北で大きく分かれている。

韓国では食用目的の犬の食肉加工などが来年2月に正式に禁止される。一方、北朝鮮では伝統料理として国家が奨励しており、その違いはそれぞれの国の価値観や経済事情を反映している。

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ペット文化普及で抵抗感

韓国政府が犬肉食への海外からの批判を意識したのは、1988年のソウル五輪だった。犬肉料理店は行政指導を受けて、表通りから目立たない路地などへ移転した。

私も栄養食だと勧められ、ソウルで何回か食べたことがあるが、ネギや香辛料がふんだんに入っており、肉の味は良く分からず抵抗感の方が強かった。ちなみに日本でも江戸時代まで犬肉食が行われていたとの記録がある。

韓国では2024年1月、国会で「犬食用禁止法」と通称される特別法が成立した。2027年2月から食用目的の犬の飼育、繁殖、食肉処理、流通、販売が全面的に禁止される。食用目的で犬を食肉処理すれば3年以下の懲役または3000万ウォン(約320万円)以下の罰金と、厳しい罰則が用意されている。

食用目的での犬の飼育や流通だけでも2年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金だ。ただし、消費者への罰則はない。

食用犬約50万頭の行き先は

韓国政府が法を整備してまで犬肉食の禁止に乗り出したのは、急速に広がったペット文化が背景にある。犬を「家族の一員」と考える人が増え、若い世代ほど犬肉食への抵抗感が強い。

韓国ギャラップの調査では、過去1年間に犬肉を食べたと回答した人は2015年の27%から2022年には8%まで減少した。国際的なイメージへの配慮も、法制化を後押しした。

一方で、食用犬農場や犬肉料理店には大きな影響が出そうだ。政府は廃業や転業への支援金を用意しているが、業界は補償額が不十分だとして反発している。

また、国内では50万頭規模の食用犬が飼育されていると報道されている。家庭内での飼育が難しい犬も多く、保護施設の不足や譲渡先の確保など、社会問題になりつつある。

「タンコギ」は貴重な動物タンパク源

北朝鮮で犬肉は「タンコギ(甘肉)」と呼ばれ、民族の伝統料理だ。この名前は故金日成主席が名付けたとされる。

2022年には北朝鮮当局が、北東部・咸鏡北道のタンコギ料理の技術を地方の無形文化遺産として登録した。国営メディアは「民族の優れた食文化」として盛んに紹介している。

毎年、夏の暑さが厳しくなる時期には各地でタンコギ料理コンテストや試食会が開催される。今年も平壌では、全国から約200人の料理人が集まり、スープや蒸し料理など技術を競い合う様子がテレビで放映された。北朝鮮には「タンコギ」の専門店があり、中国に店舗を展開したことがある。

北朝鮮が犬肉を奨励する背景には、慢性的な食糧不足がある。牛は食肉利用が制限されている。豚も飼育には大量の飼料が必要だ。その点、犬は残飯などでも飼育できるため、比較的低コストで確保できる貴重な動物性タンパク源なのだ。

また伝統食を守ることで民族意識を高める狙いもありそうだ。北朝鮮では犬肉を「高級な滋養食」と考える人が多く、倫理的な抵抗感はあまりないという。北朝鮮は現在、外国からの観光客を制限しており、犬肉食への視線を意識する必要もないのだろう。

文/五味洋治 内外タイムス

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