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渋谷から世界に発信、革新的な「デモ」…ただ交差点を渡るだけ

渋谷駅前のスクランブル交差点でまったく新しいスタイルの「デモ」が連日行われている。

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大勢で集まるのではなく、それぞれが手作りのプラカードや旗などを手に持って青信号になるのを待ち、一般の歩行者に紛れながら、ただ交差点を横断するだけだ。誰かがコールをすれば周囲に広がる場合もあるが、ただ黙って交差点を渡るだけでOK。

6月下旬に始まったこのデモは、渋谷で急速に参加者を増やしただけでなく、SNSを通じて手法が共有され、全国各地(大阪、札幌、広島など)にも拡大している。特定の主催団体が全国組織をまとめなくても、個人が草の根的に地元の交差点で実践できる。

日本でデモを行うには、原則72時間前までに、出発地を管轄する警察署へ道路使用許可および公安条例に基づく申請を行わなければならない。渋谷のこのデモも最初は一般市民が正規に届出を提出して活動していたそうだが、本来、手にプラカードを持って横断歩道を渡るだけなら届出は必要ない。届出したがために規模が大きくなって法規に抵触するようなことが起これば、むしろ逆効果だ。

警察に届出が必要ないので規制されない

このスタイルのデモにはメリットがいくつもある。まず、從來のように大声を上げるシュプレヒコールや集団での集会に抵抗感がある人にも、「静かにプラカードを掲げて歩くだけ」「個人の意思表示として渡るだけ」という気軽さから、若者層を中心に受け入れられている。

次に、警察によって規制されないのは大きい。渋谷駅前交差点はもともと人通りが多い場所のため、一般歩行者との区別が困難になり、国会前のように要所(最寄り地下鉄駅の出口付近など)に配置された警官がデモ参加者のみを識別して通行止めするという手法が通用しない。誰も正規の届出を出していないため、警察によって主催者が不当逮捕されることもない。

高市早苗首相の政策に反対する「高市やめろ」デモは国会前や首相官邸前で週末を中心に行われているが、警察官による参加者への対応がSNSで批判されている。例えば、警察は数万人の参加者を狭い歩道に押し込めるなどして、事故防止という名目で過度な交通規制を実施している。

護憲デモや反政権デモに対して、地上波メディアの報道姿勢はかなり消極的だが、渋谷でのデモは世界への発信力が抜群に強い。渋谷スクランブル交差点は今や世界的な観光名所であるため、デモと関係なく日頃から外国人観光客を中心に多くの通行人がスマホで撮影しながら横断している。

「No War」「No Hate」といった外国人にもわかるプラカードを見れば、撮影を始める人も少なくない。外国人観光客がデモの様子を世界中に動画配信している。

今後、警察の動きで心配なのは、プラカードなどを掲げて集団で横断する行為を“迷惑行為”と解釈して取り締まることはないだろうかということ。仮に注意されても大抵の場合は「横断歩道を渡っていただけ」で済むと思うが、集団で連携していると警察も新しい取り締まりの文句を考え出してくるかもしれない。

文/横山渉 内外タイムス

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