著名アーティストたちから見放されるグラミー賞 問題続出で権威失墜の危機
グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーは6月、来年開催される第69回グラミー賞の授賞式で、アジアの音楽を対象にした部門「Best Asian Pop Music Performance」を新設すると発表した。だが、J-POPやK-POPなどの音楽が、この部門のみで評価されることについて、BTSは出場の辞退を発表した。
K-POPグループのBTSは29日、SNSで「音楽が地域や言語によって分けられるのではなく、音楽そのものとして愛されることを願っている」という声明を投稿。グラミー賞に対する直接的な批判は避けているが、ボイコットした形になる。
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BTS側の声明を受け、レコーディング・アカデミーのCEOは「区別や分断を目的としたものではなく、グラミー賞で認められるアーティストを増やすため」と、部門新設の理由を説明し、釈明に追われた。だが、近年のグラミー賞は審査基準、権威性の失墜など、複数の問題を抱えている。
最も問題視されているのは、評価基準だ。グラミー賞の各部門は、1万5000人のレコーディング・アカデミーの会員による投票で、受賞者が決定する。だが、グラミー賞は長年、黒人軽視と思われる評価をしてきた。
黒人の血を引くビヨンセは、2025年に初めてグラミー賞の主要部門を受賞したが、長年受賞できなかったことにファンらが不満を募らせていた。2017年に歌手のアデルが主要部門を受賞した時には、ビヨンセが受賞できなかったことについてステージ上で抗議。「ここにいるみんなが、あなた(ビヨンセ)に憧れている」と述べ、涙を流した。
カナダ出身歌手のザ・ウィークエンドは、2021年のグラミー賞で主要部門を受賞すると言われていたが、ノミネートはゼロ件。「今後は自分の音楽をグラミー賞に出さない」と宣言し、2025年に和解するまで、ザ・ウィークエンドの楽曲がグラミー賞で取り上げられることはなかった。
海外掲示板「Reddit」でも、グラミー賞評価基準について批判が飛び交っている。「音楽チャートの上位を適当にピックアップしただけ」「形式的な授賞式は時代遅れ」「拝金主義の賞に価値なんかない」など、現在のグラミー賞が抱える問題を指摘している。
1980年代には視聴者数が5000万人を超えていたグラミー賞だが、今年は約1400万人まで落ち込んでいる。アーティスト、消費者の双方が「グラミー賞離れ」を起こす中、新部門の創設で注目を集めようとし、結果的に批判されてしまったレコーディング・アカデミー。これ以上選択を間違えれば、グラミー賞の権威は地に落ちてしまうだろう。






