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中学時代、男友だちから性被害に遭った男性のトラウマ「事件を起こして死刑になろうと思った」

ダイスケ(仮名、30代)は中学3年の頃、同級生の男子生徒の自宅で性被害に遭った。遊びの一環であるかのような振る舞いだったこともあり、すぐには被害だと認識できなかった。しかし「気持ち悪い」とは思い、母親に話した。警察に被害届を出し、最終的には加害者は少年院に行くことになった。

その後、トラウマを抱えることになるが、回復には時間がかかった。ダイスケを取材した。(内外タイムス・渋井哲也)

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中3の夏、加害者の自宅で…

性被害に遭ったのは中学3年の夏。部活動を引退した頃だ。時間帯は昼間。加害者は、友人だと思っていた同級生の男子生徒だ。それまであからさまな「いじめ」をされたわけではないが、支配欲が強いタイプだった。ある日、加害者の自宅を訪ねると、「性的なことをしよう」と言われた。

「平日で学校帰りだったと思います。当時、僕は性的なことに疎かった。暴力的ではなかったのですが、何をされているのか分からなかった」

実は、加害者宅での被害の前にも、ダイスケの自宅で被害に遭っていた。

「僕の家に加害者が来たとき、性器を触ってこようとしたことがありました。その1カ月後のことでした。加害者なりにプロセスを経ていたのだろうと思います。一気に畳みかけるタイプではなく、ちょっとずつジャブを打っている感じです。中学生の男子って性的なことに興味があるので、性的な遊びを一緒にしようとなったんです。僕の下着は脱がされ、性器を触られました。ただ、被害だとわからないようにコーティングしていたように思います」

そして、加害者はダイスケに肛門性交を求めてきた。

「『お尻に(加害者の性器を)入れさせてくれよ!』と言ってきました。僕は『嫌だ!』と感覚的に言ったんです。加害者は『コンドームをつけるから』と言ってきました。当時、僕はコンドームの存在を知らなかったので、意味を理解していませんでした。途中で気持ち悪くなって、『やめて!』と言って、終わった記憶があります。それまで15分くらい押し問答が続きました。相手も強くは言っていなかった。押し倒したりするといけないことはわかっていたと思います」

ダイスケは母親に「気持ち悪い」と言った。

「理性的にはなかなか理解できなかった。性被害の意味を理解していなかった」

最終的に、ダイスケは警察に被害届を出した。他に被害をうけていた2人は被害届を出さなかった。警察の事情聴取で「センズリ」という言葉を聞いたが、意味もわからないでいた。結果、加害者は性加害だけでなく窃盗もしていたことがあり、少年院に入った。民事訴訟も起こし、損害賠償を勝ち取った。

「感情をなくすと時間が止まる」

ただ、30歳になるまで、性被害に起因する解離状態が続いた。つまり、自分が自分じゃない感じだった。

「いわゆる離人症だと思いますが、浦島太郎のような状態です。感情をなくすと、時間が止まるんだと思いました。だから、ちゃんと自分の問題を掘り下げないといけないと思ったんです」

解離は耐え難い苦痛から逃れるための自己防衛反応だとも言われている。心が壊れるのを防ぐためのものとも言える。ショック状態になったときに、人間が持つ自然な反応とも言える。

それでも、30歳を超える頃になると、それまで抱えていた希死念慮が強くなった。

「もう自殺するか、秋葉原事件の加藤智大・元死刑囚(執行済み)のように無差別殺傷事件を起こして、死刑になろうと思ったんです。でも、『どうせ死ぬのなら、南米を旅行しよう』と思ったんです。南米でアパートを借り、しばらく生活をしました。すると、心が満たされて元気になっていきました」

帰国した後、ダイスケは心理学を独自に学び始めた。自分の苦しみの背景に何があったのかを知ろうとしたのだ。

「体はトラウマを覚えていました。自分の問題が性被害だったと思うようになるまで時間がかかりました。性被害にあって自分の内面の成長が止まっていました。そうした被害を受けたことが、対人関係などの問題を抱える原因だと知りました。学んだことで不安感がなくなりました」

心理学を学ぶなかで、ダイスケは人との距離の取り方や、自分を守るための感覚を身につけていった。

「自分の場合は、被害者でありながらも、ある種の攻撃性を身につけました。そうすると、被害を受けることはなくなりました。過去に起きたことだし、しょうがないよねと思えるようになりました。凹んだ分くらいは治せるようになりました」

性被害のトラウマにもがきながら、ダイスケは少しずつ自分自身を取り戻していった。

「メンタルがダウンして働けないときもありますが、今は、数ヶ月は南米に滞在できるくらいは貯金できるくらい元気にはなりましたよ」

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