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検察側の求刑にSNSで批判相次ぐ 司法が「加害者に甘い」と批判される理由

昨年4月に女子高校生が車で連れ去られ、覚醒剤を注射された後に性的暴行を受けた事件の裁判員裁判が10日、福岡地裁小倉支部で行われた。検察側は懲役18年を求刑したが、SNSには「軽すぎる」といったコメントが殺到している。

事件は昨年4月7日、福岡県直方市の路上で起きた。無職の橘聡被告は、高校生に「アンケートに答えたら1万円あげる」などと声をかけ、車に乗せて誘拐。スーパーの多目的トイレでわいせつ行為におよんだ。さらに、覚醒剤を注射して意識を失った状態にさせ、ホテルに連れ込み性的暴行を加えたとされている。

男はわいせつ目的誘拐や不同意性交致傷などの罪に問われ、検察側は懲役18年を求刑した。しかし、SNSには「軽すぎる」「死刑が妥当」など、求刑の甘さを批判する声が殺到。性的暴行に加え、覚醒剤も使用していることから、計画的で悪質性が高いと考えている人が多いようだ。

求刑の甘さが指摘されている事例はほかにもある。北海道旭川市の無職・内田梨瑚被告は、当時17歳の女子高校生を橋から転落させて死亡させたとして、殺人や不同意わいせつ致死などの罪に問われた。今月8日、検察側は懲役27年を求刑したが、「軽すぎる」「極刑しかない」といった声が相次いでいた。

司法の加害者への甘さは以前から指摘されているが、国民がそのように感じるのには理由がある。特に大きいのは、戦後の刑事司法が加害者の更生を重視してきたということだ。厳罰化しても犯罪の防止にはつながらないという研究もあり、感情的な厳罰化はかえって再犯を増やしてしまうという指摘もある。

また、判例(過去の似た事件の判決例)の存在も大きく影響している。検察官が求刑を行う際や、裁判官が判決を下す際には、判例を重視する。感情に左右されることなく客観的に過去の蓄積から判断するため、国民感情とズレが生じる。こういった背景があるため、多くの国民が「加害者に甘い」と感じてしまうのだ。

ただ、悪質な交通事故に関しては、厳罰化が進んでいる。2006年、福岡市で一家5人が乗った車が飲酒運転の車に追突され、幼児3人が死亡する事故が発生した。この事故をきっかけに翌年に法改正され、運転者への刑罰が引き上げられるとともに、酒を提供した店や同乗した者も処罰の対象となった。2014年には自動車運転死傷行為処罰法が施行、2020年にはあおり運転が厳罰化されたなど、時代に合わせて法律も厳しくなっている。

直方、旭川どちらの事件も、求刑に納得していない国民は多い。果たして裁判所はどのような判決を下すのか。福岡の事件は19日、旭川の事件は22日に言い渡される予定だ。

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