暗号資産、資産決済法から金商法へ移管法案が衆議院で可決 改正されれば申告分離課税の約20%に
暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移管する改正法案が11日、衆議院本会議で可決。参議院での審議へ移り、2027年施行を目指す。
具体的に変わる点は、支払い手段として位置づけられてきた暗号資産を、「金融商品」として明確に再定義する点だ。併せて金融商品に分類されるため、ビットコインやイーサリアムなどの売買益にかかる税金が最大55%から、申告分離課税の約20%に引き下げられる。
また、発行元が存在する銘柄を新たに「特定暗号資産」と位置づけ、発行側に対して事前の情報公表や財務監査を義務付ける。発行元が直接資金調達を行わない銘柄については、取り扱う取引場所に情報開示の責任を課す。
無国籍電子マネーが2020年以降急成長
暗号資産に関する法律は、2008年のリーマンショック後に、「国家や銀行に依存しない通貨」として誕生し、2009年に運用が開始された。日本では、2017年3月に決済手段の一つとして閣議決定し、4月に施行された。しかし、価格の動きの変動が激しいことや、既存のインフラの利便性などの理由で決済手段として使われることはほとんどなかった。また、決済手段として、取り扱っている店舗も少ないことも理由の一つだ。
そのため、投資目的で保有する人や企業が多くなっている。そうした現実に即して、改正案が出された。
誕生当初は、「無国籍の電子マネー」という実験的な通貨だったが、個人や企業が投資をし始めた結果、金融市場でも欠かせない存在へと成長した。
暗号資産の1つであるビットコインは、2020年に100万円前後だったが、コロナ禍による世界的な混乱の中、各国の大規模な金融緩和を背景に「デジタル・ゴールド」として上昇。2023年にはアメリカで「現物ビットコインETF」の期待から値上がりし、2024年に正式承認され、急成長。2025年には、史上最高値の約1890万円を記録した。
しかし、最高値を迎えた直後から暴落が始まる。最高値を記録したことで利益確定の売りが広がり、大規模な資金流出が発生。売り圧が強まったことから、暗号資産トレジャリー企業の買いが低下し、市場からも警戒感が高まった。
金商法が改正されれば、税金面が約30%安くなる。日本国内では、暗号資産の市場が活性化しそうだ。第二、第三のビットコインも出てくるかもしれない。
文/並河悟志 内外タイムス編集部


