谷ノ上朋美ひとり芝居 沖縄戦で家族失った祖母の話、命の尊さを伝える
谷ノ上朋美ひとり芝居「ゆんたくしましょうね」(SGプランニング主催)が20、21の両日、宮古教育会館2階ホールで行われた。沖縄戦で親兄弟姉妹家族全員を失い、戦後の厳しい時代を生き抜いてきた祖母からの聞き取りと、ガイドとともに自身が沖縄戦を辿る旅で見て感じた体験をベースとして「命、愛、平和」をテーマに熱演。約1時間に及ぶ迫真の舞台は、訪れた観客を圧倒した。
同作のあらすじは「谷ノ上自身がモデルである主人公の『わたし』は沖縄戦で家族を全員失くし、たった一人生き残った『おばあ』のことを知るために話を聞こうと試みる。しかし『おばあ』は何も話さない。そこで現地ガイドと共に沖縄戦の足跡を辿っていく。そのツアーの中に突然、『わたし』の意識が当時の人々の意識に次々と入り込み、戦争の過酷さを追体験する。そして沖縄戦を駆け抜け苦しんだ人々の感情と『わたし』が掛け抜けてきた人生の苦しみの感情がシンクロし『わたし』は自分自身の生き方と向き合っていく」。
谷ノ上さんは大きな沖縄の地図と投光器のみの舞台で「私」「おばあ」「ガイド」「ひめゆり学徒」「軍人」「ガマの中の集団自決のシーン」の多彩な役を一人で演じ分けた。
沖縄出身の母と大阪出身の父を持つ「わたし」は、沖縄の祖母のことや沖縄のことを知るために沖縄戦跡ガイドツアーに参加し戦争の歴史を知る。「おばあ」はシーミー(清明祭)の日に、ずっと語らなかった戦争のことをポツリポツリと語り出す。
「ひめゆり学徒」では師範学校の少女たちが砲爆撃の中ご飯の入った一斗樽を担ぎ命懸けの道を走り、病院壕では兵士の看護に従事。ガマでは「捕まれば米兵にひどいことをされる、捕虜になるのは恥」と教えられていたため多くの住民が肉親に手をかけ、自らも命を絶つ集団死が起きた。
凄惨な場面を表現した約1時間の迫真の劇は、観る人を迫力と臨場感で圧倒。戦争に翻弄された人々の感情と主人公の人生が重なり合い、生き方を見つめ直す姿を描き出した。
舞台前、谷ノ上さんは「祖母は沖縄戦体験者で家族全員を亡くしており、今自分は奇跡的な命のつながりで生きている。その事に気付き、それを舞台で表現するための私の実話。沖縄戦を調べる過程でガイドとともに学び、歩いたなかで見て感じたことを舞台化した。奇跡的な命のつながりで生きているので自分の命を大事にし、同じように周りの人の命も大切にする。命の尊さの大切さを伝えたい」と話した。


