衆院施沖縄4区 候補者インタビュー 先島・安全保障・物価高
【那覇支局】あす8日投開票の衆院選沖縄4区に立候補している国民民主党新人の崎枝裕次(50)、自民党前職の西銘恒三郎(71)、中道改革連合新人の砥板芳行(56)れいわ新選組前職の山川仁(51)の4氏は宮古新報社など宮古・八重山メディアは合同インタビューを行った。①沖縄4区の争点②先島の課題と離島振興③物価高や経済対策④「台湾有事」と自衛隊南西シフト⑤住民避難計画⑥最も訴えたい政策⑦高市内閣の評価⑧玉城県政の評価―の8点について候補者の考えを聞いた。
■崎枝裕次候補

①沖縄4区の争点
―沖縄4区の争点は、物価高の中で実質賃金が伸び悩む現状にどう向き合うのかという点だ。迅速かつ現実的な物価高・経済対策が求められている。
②先島の課題と離島振興
―物価高や燃料価格の高騰により、生活や第一次産業、物流に直接的な影響が出ている。離島が抱える地理的条件による不利性を、国の制度でどう補っていくのかが重要だ。住民の移動費に対する恒久的な補助や、物資の輸送費補助の拡充が必要だと考えている。
③物価高や経済対策
―物価高対策の要は、給付と減税をどう組み合わせていくかだ。国民民主党が進めてきたガソリン暫定税率の撤廃や年収の壁の見直しは即効性のある対策であり、暮らしを下支えする恒久的な政策が非常に重要だと考えている。
④「台湾有事」と自衛隊南西シフト
―自衛隊配備については、一定程度やむを得ないと感じている。一方で、住民の安全確保や生活への影響については、十分な説明と備えが不可欠だ。抑止力の議論だけでなく、有事が起きた際に住民をどう守るのかについて、国が責任を持って現実的な議論を進める必要がある。
⑤住民避難計画
―住民の視点が置き去りにされていると強く感じている。有事が起きた場合に、先島住民がどのような行動を取るのかといった具体的な内容が国から示されていない。具体的な計画を提示し、実際に訓練を行うことが必要だ。
⑥最も訴えたい政策
―私たち「就職氷河期世代」を元気にし、暮らしを支える現実的な政策が最も必要だ。物価高対策や離島振興、社会保障の拡充・充実、消費減税に加え、不安を安心に変える安全保障の在り方を含め、未来への選択肢がある政治を進めていきたい。
⑦高市内閣の評価
―高市総理政権の下で、年収の壁の見直しやガソリン暫定税率の撤廃など、一定の道筋が示された点は評価したい。一方で、年度内に令和8年度予算が執行されない可能性が出ており、これまで積み上げてきた信頼が揺らいでいるのは事実だ。政策の方向性だけでなく、約束を守り、最後まで実行しきる政治が求められている。国民民主党の連立参加については、評価する立場ではない。評価するか、評価しないかで言えば、一定の評価はするが、やはり残念だというところに尽きる。
⑧玉城県政の評価
―国との関係の中で厳しい判断を迫られてきた側面はあると認識している。ただ、「離島振興なくして沖縄の発展なし」としてきた割には、その動きが見えてこない。そうした点から、評価に値しないと考えている。一方で、物価高や生活支援といった県民の足元の課題については、国としっかり連携し、結果を出していくことが今後求められる。国と県が対立すること自体が目的ではなく、県民の暮らしを守るために、どう成果を出していくのかを周知していきたい。
■砥板芳行候補

①沖縄4区の争点
―台湾有事を念頭に置いた存立危機事態に関する発言を受け、日中関係は厳しい局面に入っている。先島諸島の住民からは将来への不安が上がっており、高市早苗首相のいわゆるタカ派的な姿勢についても注目が集まっている。
②先島の課題と離島振興
―三つの格差解消を政策の柱に掲げている。具体的には、物流格差、移動格差、平和格差だ。物流格差については、離島を中心に物流コストの上昇が続き、生活や経済活動への影響が拡大している。移動格差では、子どもたちの派遣費用に加え、難病を抱え、命を維持するために定期的に大規模病院へ通院しなければならない患者がいる。付き添う家族の負担も大きい。行政による支援制度はあるものの、内容は十分とは言えず、手続きも複雑だ。沖縄振興予算の振興計画の中に明確に位置付け、抜本的に取り組む必要がある。
平和格差については、日本の安全保障の名の下で、沖縄がこれまでも、そして今後も基地負担を強いられ続けるのか。
③物価高や経済対策
―沖縄・先島諸島は、物価高に加え、物流コストの増大という二重の打撃を受けている。中低所得者層を対象にした給付金の支給や、食料品にかかる消費税ゼロの実施に取り組んでいきたい。
④「台湾有事」と自衛隊南西シフト
―先島諸島への自衛隊配備については、離島の急患搬送や災害派遣、国境警備といった一定の役割は認められる。一方で、配備は必要最小限の専守防衛に徹すべきであり、台湾有事を想定した日米共同作戦の展開訓練や、いわゆる南西シフトには反対。
⑤住民避難計画の見解
―日本政府は一貫して、特定の有事を想定したものではないと説明している。しかし、なぜ先島諸島の住民が、ふるさとの島々を離れて九州へ避難しなければならないのかについては、十分な説明がなされていない。避難計画は不要。
⑥最も訴えたい政策
―沖縄4区は、県内でも有数の第一次産業の生産拠点であり、サトウキビ生産は県全体の約半分を宮古島が占め、八重山は畜産業の拠点となっている。こうした第一次産業の一大拠点として競争力を高めていくため、基盤整備に取り組みたい。
⑦高市内閣の評価
―高市政権については評価できない。分断や対立をあおり、その摩擦を原動力に政治を進めようとする傾向が非常に強いと感じている。私たちはそうした政治の在り方とは異なり、「中道」という理念の下、生活者や人間、そして平和を政治のど真ん中に置いていきたい。中道とは右でも左でもなく、どっちつかずという意味でもない。公平・公正に社会の課題を解決し、この国を前に進めるために何が必要なのかを考え、多様な意見や価値観に寄り添いながら、その真ん中を追求していく考え方だ。そうした視点から見ても、今の高市政権はあまりにも偏っており、評価することはできない。
⑧玉城県政の評価
―沖縄が抱える課題、特に米軍基地問題や普天間飛行場の辺野古移設をめぐって、国が県民の理解を得られないまま計画を強行する中、県民の立場に立って政府に向き合い、ぶれることなく県政運営を行っている点を評価している。また、政治的なイデオロギーや既得権益に過度にとらわれることなく、公平・公正な姿勢で県政に取り組んでいる点も高く評価できる。
■西銘恒三郎候補

①沖縄4区の争点
―物価高対策、新たな連立政権の枠組みと高市早苗首相の評価、そして国民の安全・安心を守るための防衛体制の確立の三点。
②先島の課題と離島振興
―先島地域は、沖縄本島と比べても輸送コストが割高となり、物価高の影響を強く受けている。こうした状況については、政治で手当てできる部分はしっかり対応していく必要がある。その上で、島で暮らす人々のなりわいを支える視点から、農業や漁業といった第一次産業に加工を加え、付加価値を高めていく取り組みが重要。
③物価高や経済対策
―昨年は18・3兆円規模の大型補正予算を成立させ、そのうち約2兆円を「重点支援地方交付金」として都道府県や市町村に配分した。経済対策で重要なのは、物価高を上回る賃上げをいかに実現していくか。責任ある積極財政によって、企業が投資や賃上げに踏み出しやすい環境を整備し、後押ししていきたい。
④「台湾有事」と自衛隊南西シフト
―南西シフトは、国民の安全・安心を守る上で必要。一方で、先島地域の住民の理解を得ながら、国際社会の情勢についても丁寧に説明しつつ進めていく必要がある。日米同盟を基軸に、基本的な価値観を共有する国々との体制の中で、中国とのバランスを図っていく。
⑤住民避難計画
―万が一に備えて国民の避難体制を整備することは、政治の立場にある者として当然。先島地域では、各市町村が九州や山口県の市町村と会議を重ね、綿密に備えを進めている。
⑥最も訴えたい政策
―争点の一つ目は物価高対策で、物価高を上回る賃上げによる好循環の社会をどうつくるのかという点だ。二つ目は、安全保障を取り巻く環境が大きく変化している中で、平和をどう永続させていくのかということに力を入れたい。
⑦高市内閣の評価
―高市内閣については、よくやっていると高く評価している。政策面でも、連立を組む相手や野党の提案について、取り入れられる部分は柔軟に取り入れ、スピーディーに政治決断を行っている印象だ。高市総理自身も、重要な資料を自ら読み込み、自分の言葉で判断し、回転よく決断しているように見えている。
⑧玉城県政の評価
―玉城県政については評価できない。危険性が指摘されてきた普天間飛行場を辺野古に移設する方針は国の判断であり、最高裁まで争われた結果、私が見る限り、もはや止める手立てはない状況だ。その中で、ただ反対と言い続けているだけ。
■山川仁候補

①沖縄4区の争点
―沖縄4区の最大の争点は、物価高への支援策を含む経済対策だ。次に、先島地域の住民に不安を与えている南西シフトの問題がある。この二つが大きな争点になると考えている。
②先島の課題と離島振興
―先島地域では、一次産業の課題に加え、サトウキビ製糖工場の老朽化や輸送コストの高さといった問題が重なっている。沖縄振興措置法や沖縄振興予算の内容を、来年度から抜本的に改革・改変していくことが重要だ。離島対策としての支援や振興予算を必ず確保する枠組みをつくらなければ、実効性のある経済対策にはならない。
③物価高や経済対策
―経済対策の基礎となるのは消費税の廃止だ。廃止されれば、すべての人が使えるお金や貯蓄に回せるお金が増えていく。私たちは、国民が最も恩恵を受けやすい消費税廃止を柱に、時間がかかる場合には春夏秋冬ごとに一律で給付金を支給することも提案している。
④「台湾有事」と自衛隊南西シフト
―南西シフトについては、配備そのものに反対の立場だ。ミサイル配備や弾薬庫の設置についても当然反対している。有事が起きた場合、空港や港、弾薬庫などの施設は攻撃対象になり得る。島民を守るためには、そうしたものは排除すべきだと考えている。
⑤住民避難計画
―住民避難計画は必要ない。徹底した平和外交を行えばよい。防衛省などが示している計画は全くのでたらめで、有事が起きた場合の被害補償についても何一つ示されていない。
⑥最も訴えたい政策
―最も訴えたい政策は消費税の廃止だ。すべての人が公平に恩恵を受けられる社会をつくるとともに、取るべきところから税を確保し、必要なところにお金を振り分けていかなければならない。生活者目線の財政支援策を一番のポイントとして訴えていきたい。
⑦高市内閣の評価
―高市政権については、全く支持していない。総理を選ぶのであれば、山本代表が総理になることを望んでいる。その実現によって、沖縄の基地問題や離島が抱える課題についても、1年から2年、あるいは3年以内に大きく変えていくことができると考えている。
⑧玉城県政の評価
―玉城県政については、評価できる面とそうでない面があり、どちらか一方に割り切れるものではないと受け止めている。行政の長としての責務は果たしており、米軍による事件・事故や騒音問題について、きちんと声を上げて是正を求めている点は評価できる。一方で、沖縄の知事には、より強いリーダーシップが求められているとも感じている。離島の課題や南西シフト、那覇軍港移設をめぐる問題など、さまざまな利害関係を抱える中で、言いづらい立場に置かれている面もあるのではないかと指摘した。3期目の出馬を検討するのであれば、現在の社会情勢や国際情勢を踏まえ、そうした課題にどう向き合うのか、その政策姿勢を注視していきたいと述べた。


