“ぷからすむぬ”を詰めました ふるさと納税返礼品で 「開けた瞬間、宮古島」
宮古島商工会議所(根路銘康文会頭)と(一社)宮古島観光協会(吉井良介会長)はこのほど、島の特産品販売を促進するため、ふるさと納税の返礼品として共同で取り組んでいた「【美味しいを詰め込んだ福袋】宮古島からお届け!」の提供を開始した。23日、同商工会議所事務局の糸数優子さんと同協会の寺町萌業務係長が宮古新報社を訪れ、組織の枠を超えた「連携」による新たな地域振興の取り組みを報告した。
今回の企画は、寄付者に「開けた瞬間に『ぷからすむぬ(うれしい)』を感じてほしい」という両団体の担当者の思いから実現した。従来、事務手続きや在庫管理の難しさから、複数の事業者の商品を詰め合わせる「セット販売」は困難とされていたが、商議所と観光協会がタッグを組むことで、島の多様な味を一箱に凝縮した形にすることに成功した。
糸数さんは「これまでは縦割りで話が進まないこともあったが、一緒にやることで相乗効果が生まれる」と実感したようで、「皆で悩んで作り、まずは最初の一歩が踏み出せた。開けた瞬間に宮古島の風を感じられるギフトボックス。島を離れた出身者や宮古島ファンに対し、今の島の空気感や歴史の節目を共有したいという思いも詰め込んでいる」と語った。
寺町さんも「やりたいけれど入れるものがない、準備ができない、というニーズに対し、一緒にやることで一歩目が出せた」と連携の意義を強調。単なる特産品の詰め合わせにとどまらず、箱を開けた瞬間に「宮古島」を感じてもらうため、市制誕生時、そして今年の20周年式典が掲載された新聞を同梱するなど、島外に住む宮古島ファンや出身者の郷愁を誘う演出が施されている。さらに、糸数さんの「島の特産品を取り扱いたい」というこだわりから、マンゴーの出荷箱を裏返して再利用した上で、地元の包装資材店からのアドバイスを生かした工夫も盛り込まれている。
12月の寄付集中時期に合わせ、試行的にスタートしたこのプロジェクト。現場担当者たちの「宮古島をもっと盛り上げたい」という純粋な思いが、組織の壁を溶かし、寄付者の元へ「島の真心」を届けることで、さらに島内小規模事業者の販路拡大を支援する新たな仕組みとしても相乗効果が期待される。
金額は2万円以上の納付対象返礼品。現在、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」等で申し込みを受け付け、発送は来月を予定しているとのこと。



