島各地のクイチャー集う 受け継ぐ声と足音一つに
第24回クイチャーフェスティバル(主催・同実行委員会、共催・市、市教委)が7日、JTAドーム宮古島で開かれた。伝統、創作クイチャーや伝統芸能など多彩な出演者約500人が舞台を盛り上げた。12年ぶりの出演団体や初参加の団体も加わり、多彩な演舞が披露された。「世(ゆぅ)や直(なう)れ」をテーマに宮古の原点を見つめ直し、島内の文化交流と伝統継承の意義を示した。
会場には、伝統クイチャーと創作クイチャーを2本柱とした多様な演目が並んだ。出演者と観客が一体となる多彩な構成で「クイチャー(声合)」の精神を体感する場となった。
漲水クイチャー保存会、宮国民俗芸能保存会、比嘉民俗芸能保存会など10団体が古くから受け継がれる型を披露し、力強い足踏みと声が会場に響いた。また、宮古島警察署やチアダンスチームSPEIRA宮古島、宮古島創作太鼓衆みぃかじどーしらの創作クイチャー6団体が個性豊かな演舞で観客を魅了した。
伝統芸能では城辺比嘉の獅子舞、保良ヨンシー、下地川満の棒踊りも会場を沸かせ、12年ぶりに出演したぶらぁしぃにん会と新城クイチャー保存会には客席から温かい拍手が送られた。
古謡・あぁぐの部には川元真依さん、狩俣良眞さん、下地達夫さん、新唄としてみゃーく5が出演。今年は4団体も初参加し、若い世代が創作クイチャーから伝統へ関心を広げる流れも見られ、最後は会場全体で漲水のクイチャーで気持ちを一つにした。
下地暁会長は「宮古島の文化遺産であるクイチャーを絶やさないため、歴代実行委員長が支えてきた。原点回帰を重視し、伝統を中心にしつつ島内の文化イベントとも連携していきたい」と語った。また「平和を願うクイチャーの力で、安寧の華、文化の華、笑顔の花を咲かせたい」と思いを述べた。
観覧で訪れていたホテルアトールエメラルド宮古島の伊藤公彦副総支配人は「始まりから最後まで観たが、とても良かった。伝統継承の点でも大切な大会だと感じた」と話し、舞台の迫力と多様性に感動した様子だった。


