新里のホテルは不承認 市景観審議会 高さが基準に大幅超過
宮古島市景観審議会(池田孝之会長)の2025年度第3回審議会が11日、市役所で行われた。議案の伊良部池間添のホテル整備計画は承認としたが、上野新里のホテル整備計画は不承認とした。不承認の理由は高さ基準13㍍以下に対して41・11㍍と大幅に超過していることや壁面後退距離も基準を満たしていないことを挙げた。この決定を受け事務局は審議内容の委員らの意見を付けた勧告書を事業者に送ることにしている。
継続審議の上野新里のホテル整備計画は、今審議会で3回目となる。
計画は地上10階建てで高さは41・11㍍、敷地面積1万1102・51平方㍍、延べ床面積2万5117・18平方㍍。海岸地域景観ゾーン(観光・リゾート共生景観)の高さ基準13㍍以下に対して41・11㍍となっている。
事業者は前回審議会との比較で北棟・南棟の低層部分を1層削減、屋根高0・6㍍減、最上階をセットバックし圧迫感を軽減したと説明。これにより高さは45㍍から41㍍に下がった。壁面後退距離は3・0㍍から9・8㍍に変更。新里集落や上比屋ロードパークから見えるホテル計画の写真も提示した。
これらの変更に対して委員からは、高さは依然として大幅に超過しているとの指摘があった。壁面後退距離も不十分との意見があり、この計画では認められないという意見が多かった。
伊良部池間添のホテル整備計画は地上4階建てで高さは18・05㍍。敷地面積6534・10平方㍍、延べ床面積4080・85平方㍍、建築面積1665・93平方㍍。地盤面が海側へなだらかに傾斜があり、建物の接する最低地盤から建物最高高さは18・05㍍となっている。
農地集落景観ゾーン(農地景観)の高さ基準は13㍍以下。高さを超過する理由は敷地南に位置する既存の建物や樹木があり、4階の高さからでないと海への眺望が確保できない。4階部分をインフィニティープールとし高さのある面積を抑え最低限への眺望が確保できる高さとしているという。
建物はなるべく山側(北側)へ配置し、圧迫感を低減したと説明した。
委員からは「高い勾配があり、伊良部大橋から見ても真っ白い建物が目立つが別の対応で満たすような努力が見られる」との意見があった。高さについては部分的であり景観上は配慮しているとして承認した。


