県民所得(1人当たり)241万円 19年度の県民経済計算概要

 県企画部は15日、2019(令和元)年度の県民経済計算概要を発表した。県民所得は総額が前年度比1.2%増の3兆5024億円と5年連続で上昇し、1人当たりは0.8%増の241万円となったが、全国を100とした指数で0.7ポイント増の75.8と依然として低い水準だった。国民所得は一人当たり前年度とほぼ同額の318万1千円。県内総生産(GDP)は実質が0.5%増の4兆5242億円となり、経済成長率は5年連続でプラスとなった。
 県民所得総額の内訳は雇用者報酬が賃金・俸給が増加し2.4%増の2兆4570億8700万円(構成比70.2、以下同じ)、財産所得は0.3%増の2511億500万円(7.2%)、企業所得は公的と個人が増加した一方、民間や法人が減少し、2.0%減の7941億6900万円(22.7%)となった。
 県によると、19年度の県経済は年度後半の新型コロナウイルスの影響で入域観光客数が減少するなど、宿泊・飲食サービス業や運輸業で減少したが、人口・世帯数増加を背景に住宅賃貸業などの不動産、医療・保健など保健衛生・社会事業、公共工事増加で建設業が堅調に推移したことが下支えとなり、県内総生産は名目でも1.4%増の4兆6333億円と11年連続でプラス成長となった。
 産業別を実質で見ると、第1次は農業が減少する一方で水産業が伸び、1.2%増の536億2300万円、第2次はほとんどを占める建設業、さらには製造業がマイナスとなったことから1.5%減の7735億200万円。
 第3次産業は卸売・小売や宿泊・飲食サービス業が減少したが、不動産業、保健衛生・社会事業、専門・科学技術および業務支援サービス業、公務、教育が増加し、全体では1・1%増の3兆7282億38900万円だった。
 総生産の支出(名目)は、民間最終消費が家計の住居・電気・ガス、水道などが増加し1.2%増の2兆6451億400万円、政府最終消費は社会保険保障基金が増え、2.0%増の1兆66億7600万円、県内総資本形成は公的部門の一般政府投資が増加したことで9.9%増の1兆4760億8600万円、財貨・サービス移出入は移入増加が大きく3.9%減のマイナス7082億6100万円だった。

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