各種災害の発生に備え協定締結を行った(右から)上地消防長、嘉数市長、比嘉司令 =市役所

合同訓練で協定締結 市消防本部・陸自駐屯地 各種災害の発生に備える

 「宮古島市消防本部と陸上自衛隊宮古島駐屯地との各種災害対応合同訓練等に関する協定書締結式」が31日、市役所で行われた。協定書は各種災害に備え迅速かつ的確な活動を目指し、地域の安心・安全の向上を図ることを目的に結ばれた。年度当初に合同訓練の内容などを確認し、消防職員や隊員らの技術向上に向けて災害対応訓練、研修を行う。双方が所有する施設、資機材も活用し想定しうる災害等に関する技術および技能の向上のためお互いに指導、助言も行っていく方針だ。
 協定締結式では上地一史消防長、陸上自衛隊宮古島駐屯地の比嘉隼人司令、嘉数登市長が署名、捺印した。
 上地消防長は「宮古島市は県消防相互応援協定を結んでいるが、離島において大規模災害等が発生した場合に近隣の市町村からの応援には時間がかかる」と述べ、「消防の能力を超える事態が発生した場合、消防だけの活動にも限界があるので協定書の締結で市消防本部と陸自宮古島駐屯地の連携により災害発生時の迅速な対応と効率的な活動が可能になる」と強調した。
 比嘉司令は「自衛隊と消防本部の人命救助に関する高い技術力や装備品などそれぞれの機関の能力を知り、習得することにより知識や技術の向上を図るとともに災害発生時の迅速な対応が可能となる。協定締結を契機に市や消防本部とさらなる連携を強化していきたい」と述べた。
 嘉数市長は「離島である本市は他地域からの支援がすぐには届かない場合も想定されるため、地域内での連携体制づくりが重要である。宮古島駐屯地には美ら島レスキュー等を通じた防災訓練で協力いただいた。今回の協定締結を機にさらに緊密な連携を図りながら災害時に迅速かつ確実な対応ができるよう体制を築いていきたい」と述べた。
 協定書は3通作成し、宮古島市と市消防本部、陸上自衛隊宮古島駐屯地の各自が1通を保有する。同本部と同宮古島駐屯地は年度当初に合同訓練等の内容、回数、時期等を含む基本的な年間計画を策定し、円滑な合同訓練等の実施を確保するため適宜協議し意思疎通を図っていくとしている。

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