
こころつなぐ結いの島へ 4日、市制二十周年式典 ドームで市民フェスも
平成の大合併に伴い2005年に誕生した宮古島市は9月末現在で人口5万5490人を擁する県内有数の自治体として新たな節目を刻んだ。1日に市制施行20周年を迎え、きょう4日午前10時からマティダ市民劇場で記念式典を挙行し、これまでの歩みを振り返るとともに未来への決意を新たにする。併せて、4と5の両日にはJTAドーム宮古島を会場に市民フェスティバルが開かれ、市民参加型イベントを通じて地域一体で20年の節目を祝う。
05年10月1日に平良市、城辺町、下地町、上野村、伊良部町の5市町村が合併して県内で8番目の人口規模を持つ自治体として船出。合併は国主導の「平成の大合併」によるもので、行政の効率化や財政基盤強化を目的に全国的に進められ、市町村数は約3200から1727へと大幅に減少し、宮古島市の誕生もその流れの中で実現した。
合併協議も重ねに重ね、議員定数や在任特例を巡る激しい論争、名称を「宮古市」とするか「宮古島市」とするかの住民アンケート実施など、幾多の議論を経て成立に至った経緯がある。発足時には起債残高や医療・福祉施設の老朽化など課題が山積みし、「合併して良かった」と思える市づくりをどう実現するかが問われた。
その後の20年、市は大きな変化を遂げた。伊良部大橋の開通による観光の拡大、地下水保全を軸とした環境施策、トライアスロンをはじめとする国際スポーツ大会の定着、さらに自衛隊部隊配備による安全保障の拠点化など、社会経済の基盤は広がりを見せた。
9月末現在で外国人1298人含む、世帯数は3万1千28戸に達し、国際色を帯びた島の姿も見られるようになった。
市は20周年を記念し、きょう4日、マティダ市民劇場で記念式典を開催する。関係者が一堂に会し、合併からの歩みを振り返るとともに、将来像を市民と共有する場となる。
また、4と5両日にはドームを会場に「市民フェスティバル」が催される。舞台イベントでは、芸能祭や太鼓演奏、チアやフラダンス、少年少女合唱団のステージのほか、物産展や遊具スペース、抽選会など多彩な催しを予定。会場へのアクセスには市役所と結ぶ無料シャトルバスも運行され、市民が気軽に参加できる環境が整えられている。
市制20周年は単なる通過点ではなく、「こころつなぐ結いの島」の理念を次世代に引き継ぎ、観光と自立の両立を目指す未来への出発点。記念式典と市民フェスティバルは、その決意を市民と分かち合う節目の行事となる。