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県に離島が抱える地域課題解決と振興などの要請を行った =1日、県庁

宮古・八重山の離島課題解決へ 県、県議会に 美ぎ島美しゃ市町村会 地域振興33件の要望を提出

 【那覇支局】宮古・八重山圏域の市町村が抱える地域課題の解決と振興に向け、美ぎ島美しゃ市町村会(会長=嘉数登宮古島市長)は地域振興に関する要望書を1日、沖縄県と県議会に提出した。要望項目は計33件にのぼり、医療・教育・交通・住宅・農業支援にわたる離島現場の実情を反映した内容となっている。

県議会にも同様に要請した美ぎ島美しゃ市町村会=1日、県議会棟


 同市町村会は県内離島振興に取り組む5市町村(宮古島市、多良間村、石垣市、竹富町、与那国町)で構成され、要望書は、県庁で大城肇副知事に、県議会棟で中川京貴県議会議長にそれぞれ手交された。
 嘉数会長は「離島ならではの構造的課題や物価高騰による影響に直面している。持続可能な地域づくりに向け、国・県の理解と支援を強く求める」と訴えた。伊良皆光夫多良間村長も出席した。
 要望事項のうち、宮古島市に関連する項目は15件に及び、空港機能の拡充から住宅確保、畜産農家支援に至るまで幅広い。
 特に「宮古空港の機能強化」では、急増する観光客数と大型航空機の就航増により、搭乗橋や受託手荷物の処理能力が逼迫している現状を踏まえ、3レーン体制の実現や臨時駐機場の拡張を強く求めた。
 医療分野では「医師・看護師の安定的な確保」を要望。県立宮古病院において医療人材の確保が難航し、診療体制に影響が及びつつあるため、県による住宅提供や採用支援策の強化を要請した。
 また、「若者の定住促進に資する環境整備」も大きな課題とされ、観光業や建設需要の高まりで民間賃貸住宅が逼迫する中、県営住宅や補助制度の拡充が急務とされた。
 教育面では「島外から赴任する学校教職員の住居確保」も喫緊の課題。「安心して働ける環境が整わなければ教員不足は深刻化する」とし、宿舎整備や賃貸物件の確保に向けた支援を県に求めた。
 多良間村は、老朽化が進む普天間港ターミナルの建替工事と海浜景観の保全・緑地公園整備を重点課題として挙げた。ターミナルは築40年を超え、塩害によるダメージが深刻な状態。観光客や貨物輸送の安全性を確保するため、早急な建替と耐久性向上が求められている。また、前泊地区の海浜はマツ林の荒廃や雑木繁茂により景観悪化が進行しており、村民と観光客双方の憩いの場として整備を進めることが不可欠とされた。
 伊良皆村長はこれまでの県のさまざまな支援があり事業振興に謝意を示した上で「星空観察や観光イベントの場として再生し、自然と共生する観光資源に磨きをかけたい」として県に協力を要請した。

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