宮古伊良部島ホテルプロジェクトの議案を審議する委員ら =市役所

伊良部島ホテル(仮称)不承認 市景観審議会 長大な壁面に圧迫感

 宮古島市景観審議会(池田孝之会長)の2025年度第1回審議会が28日、市役所2階大ホールで行われた。市(嘉数登市長)から諮問のあった「宮古伊良部島ホテルプロジェクト(仮称)」は宿泊棟、共用棟の長大な壁面(最大125㍍)が道路から圧迫感を感じやすいという意見が多くあり、不承認とした。委員からの壁面の分節対応など意見を付けて勧告することになり、再度の届出で審議していく方向を確認した。
 同審議会では、砂川朗副市長が12人の委員に委嘱状を交付。このあと役員選任があり、会長に池田氏、副会長に庄司優氏が選ばれた。
 議案審議の宮古伊良部島ホテルプロジェクトは宿泊棟、共用棟を建設する計画。事務局が位置、高さ、形態・意匠、色彩などの景観形成基準や届出した会社の対応方針を説明した。
 位置は伊良部大橋や船の航路から見て、稜線や海岸線を連続して分断しないような配置とした。
 高さは美しい海への眺望、海から見た島の眺望等を阻害しないよう配慮して7㍍以下とする基準があるが、宿泊棟で最大13・45㍍ある。これについては「全体的ではなく一部の高さであり、これがいけないということではない。全体的なバランスをとり、他のことでカバーすれば認める」などとの考えを見せた。
 この中で宿泊棟(約125㍍)、共用棟(約75㍍)の長大な壁面により道路から圧迫感を感じやすいとの指摘があった。
 景観形成基準では「圧迫感のある単調な壁面とならないように長大な壁面は分節する」とある。これには共用棟だけでなく宿泊棟も曲面の外壁とし、圧迫感の軽減や周囲の自然環境に調和しやすい仕上げとしているとした。
 この対応については、不十分として委員から「建物の分節にガラス張りを使っているが、これを大きくし数を増やすことや建物を分棟してはどうか」など改善を求める意見が出た。
 このほか宮古島市景観計画等見直し検討業務の議案審議も行われた。

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