
農業被害防ぐ研修開催 セグロウリミバエの対策学ぶ 害虫阻止へ連携強化
宮古地区農業士会と宮古地区就農青年クラブ連絡協議会は25日、市役所で「セグロウリミバエ勉強会」を開催した。那覇植物防疫事務所・次席植物検疫官の要元伸夫氏と県農林水産部農業支援課・主任技師の知念康太氏が講師を務め、参加者は害虫「セグロウリミバエ」への基礎知識や緊急時の対応について学んだ。
勉強会では、エヤミカンコミバエを含むウリミバエ類の発生状況と生態のほか、セグロウリミバエの特徴、寄主植物の種類、沖縄本島での発生事例などが紹介された。特に、万一の侵入に備えた防除体制や移動制限、緊急防除措置について具体的な手順や注意点が説明された。
要元検疫官は「発見・通報の迅速化が防除の要」と強調。知念技師は「侵入初期の対応が拡大防止に直結する」と述べ、参加者は真剣な表情でメモを取りながら聞き入っていた。
また質疑応答では地域や地形で住み着きやすい場所、収束期間、出荷についてなどの質問が参加者から相次いだ。
昨年3月に県本島北部地域で海外から侵入した農作物に「セグロウリミバエ」がトラップ調査により発見された。まん延すると農作物に大きな被害を及ぼす恐れがあることから県は関係機関と連携して発生状況調査および防除を実施している。
セグロウリミバエは、メロン、パパイア、マンゴーなど多くの果菜類に寄生する。侵入を防ぐには、通常の虫害防除を徹底することが最も効果的とされる。特に近年ではミカンコミバエ種群の飛来も頻発しており、不要果実の野外放置を避け、発見次第すみやかに株元への埋設やすき込みなどで処分することが、これまで以上に重要となっている。また、果実内にウジが見られるなど異常があれば、速やかに関係機関へ通報するよう求めている。
万一、宮古で侵入があった場合、出荷制限や防除の影響が広範囲に及ぶ可能性があることから、関係者の間では警戒が高まっている。