当選紙面を前にインタビューに応じる高良氏 =那覇市おもろまちの選挙事務所

沖縄の声、国政に 一夜明け高良沙哉氏 生活者中心の政治志向

 【那覇支局】第27回参議院議員通常選挙沖縄選挙区で初当選を果たした高良沙哉氏(46)は投開票から一夜明けた21日午前、選挙事務所で取材に応じ、「課題解決に向けた責任の重さを実感している。沖縄の生活者の声を、政治の真ん中に届けていきたい」と決意を語った。選挙戦で掲げた「生きるを政治の真ん中に」という理念を柱に、無所属の立場から政策実現を目指す構えだ。
 高良氏は「昨晩は支持者と喜びを共有できたが、新聞で当選を改めて確認し、皆で勝ち取った結果だと実感が湧いた。課題の多さに向き合う責任の重さも同時に感じている」と語り、選挙戦を支えた支援者への感謝とともに、政策実現への意欲を示した。
 今後の取り組みとしては、「消費税の緊急引き下げ」「ガソリンの暫定税率廃止」といった物価高対策や、「憲法の理念の実現」「沖縄を戦場にさせない平和の構築」を掲げ、当選に至った主張を着実に前進させていく考えを強調。「県民の共感を得た政策だからこそ、一歩ずつ実現していきたい」と語った。
 無所属での国政挑戦については「応援していただいた政党や議員、市民と連携し、政党に縛られない立場だからこそ多くの声を届けられる。市民、県民、国民の利益を第一に活動していく」と述べ、今後の会派や所属政党については「現時点での具体的な打診はなく、未定」とした。
 自民、公明両党が議席を大幅に減らし、参政党や国民民主党が躍進し、外主義的発言が目立った選挙戦に触れ、「平等の実現や、憲法を守り平和をつくるためには気を引き締めなければならない結果。差別を許さない視点を主張していきたい」と語った。また、選挙戦を通じて「多くの人が生活に不安を抱える中で挑み、分かりやすい言葉で語りかける対話を重視した。差別的な政治姿勢に対し、批判的な立場を明確にすることで支持が広がったのではないか」と振り返り、「変化の時代を混乱とは受け止めず、希望に変えていきたい」と強調した。
 辺野古新基地問題については「建設事故だけでなく、基地のあり方を広い視点で問う必要がある。今の状況は大きな変化をもたらす機会だ」と述べ、沖縄が少数の立場にある中で、現場の声を国会に届ける役割の重要性を改めて訴えた。
 前夜は勇退する高良鉄美氏とともに支持者や関係者へのあいさつ回り。午前0時すぎに帰宅し、小学生の子どもたちは寝ずに帰りを待っていたとのこと。「『良かったね、でもこれから大変だね』と声をかけられ、気が引き締まる思い」と笑顔を見せた。赤い服は「情熱と強さの象徴としての願掛け」であり、「これからも熱く訴え、投票してくれた県民だけでなく国民のためにも強く行動していきたい」と語った。
 女性議員の増加については、「『お母さんたちが政治に参加しやすい環境を』という声も多く届いた。ロールモデルとして責任を持って取り組み、女性の政治参画を後押ししたい」と意欲を見せた。

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