宮古病院スタッフ58人が就業制限 47床入院できず
宮古病院の岸本信三院長は3日、市保健センターで開いた会見で、診療制限のきっかけが2つの病棟でクラスターが発生したことだったと明らかにした。クラスターの認定はまだ受けていないが、3つ目の集団感染も起きているという。同病院では3日現在、新型コロナ感染などで計58人のスタッフが就業制限を受けている。2つの病棟が入院を受けられない状態にあり、医療体制が危機的状況にあるとして、市民に感染対策への理解と協力を求めた。
宮古病院は7月19日から診療制限を実施。当初1日までの予定だったが、15日まで2週間延長している。岸本院長は2つの病棟で患者とスタッフの集団感染が発生したことが診療制限のきっかけだったと説明。6人と11人の計17人が感染したがいずれも重症化には至らず、隔離などは解除されているという。
その後、別の病棟で9人(患者3人スタッフ6人)の集団感染が発生した。こちらも重症者は確認されていないが、隔離が解除されていないスタッフがいる。県からのクラスター認定はまだされていないという。
同病院は精神科を除いて5つの一般病棟があるが、うち1つの47床をコロナ対応に充てている。3日現在の入院患者は16人(中等症Ⅱ・Ⅰ計4人)。
残り4つのうち、47床の病棟が閉鎖、45床が入院できない状況になっている。同日現在、職員計58人の就業が制限されているのが原因。内訳は新型コロナ感染が18人、濃厚接触18人、子どもの発熱などその他の理由が22人。41床と30床の病棟が稼働しているが、いずれもほぼ満床の状態。
岸本院長は「診療制限で多くの市民に負担と不便をかけていること、制限を2週間延長したことを深くお詫びする」と述べるとともに、「市民の皆さまに宮古病院の状況を理解いただきたい。自分と高齢者や体の弱い人を守り、感染拡大を招かない、一人ひとりの主体的行動を願う」と感染対策への協力を求めた。
また高温多湿の猛暑日が続いているとして、熱中症にならないように水分を適切に摂取し冷房を適宜利用するなど、暑さ対策にも注意を呼びかけた。