
重要無形文化財の技術に挑む 宮古上布保持団 伝承者養成講習閉・開講式
宮古上布保持団体(新里玲子代表)の2024年度重要無形文化財伝承事業「宮古上布伝承者養成講習閉講式および開講式」が30日、市役所で行われた。文化庁の補助を受けての伝承者講座は図案・手括り、染色、織り、砧打ちで開講する。修了証が新里代表から小禄有美子さんに授与され、3年間の学びの中で技術に対する疑問が多く出てきたが、継続して技術を身につける重要性を語った。また受講する3人は意欲を見せた。
同講習は、高齢化に伴い宮古上布の技を継承する人材が育っていないことから、その作業工程の技の伝承を強化し、伝えることが目的で実施されている。
開講式で新里代表が「技術者の中の技術者である講師の下地達雄さんが春の褒章黄綬褒章を受賞したことで織物業界はとても喜ばしい中で式を行うことができ、そしてまた新たなステージが広がっていくのではとワクワクしている」とあいさつした。
また修了生の小禄さんに与那覇弘樹生涯学習振興課長が「これからもさらなる技術の習得に向けてぜひ取り組んでいただきたいと」とねぎらい「新たな3人の受講生には国指定の重要無形文化財の高い技術の習得に向けて取り組んでいただければ」と期待を向けた。
式では24年度事業報告、25年度事業説明が行われ、各講習講師や伝承者からのあいさつで受講生らを激励した。
受講生の三代眞平さん(図案・手括り)は「深く教えてもらい、より一層学べると思うので頑張っていきたい」、松堂初美さん(染色)は「染め講習は2年目に入る。理解を深めていきたい」、長濱充代さん(織り)は「今年度が最後になる3年目の講習。すべての技術をしっかり身に付けるよう頑張っていきたい」とそれぞれ意気込みを語った。
講師、伝承者は次の通り。
【図案・手括り】講師=下地達雄▽伝承者=三代眞平【染色】講師=神里佐千子▽伝承者=松堂初美【織り】講師=豊見山カツ子、伝承者=長濱充代(敬称略)