
ひまわり播種し未来を耕す 「さとうきびの日」 宮古の宝を再確認 緑肥利用で収穫向上へ
宮古地区農業振興会(会長=嘉数登市長)は23日、上野野原のほ場で「さとうきびの日」関連セレモニーを行った。宮古島市や県、JAおきなわなどの関係者が参加し、緑肥として使用するひまわりの播種で、さとうきびの増産をアピールした。今回、播いたひまわりは7月から8月にかけて開花する予定だという。
「さとうきびの日」は、生産農家をはじめ関係者のさとうきび生産振興に対する意識の高揚を図るとともに、県基幹作物であるさとうきびの重要性と県民への広い理解を目的として毎年4月第4日曜日に定められている。
宮古地区では、県内さとうきび生産振興において最重要地区であることから、増産に向けた取り組みの一環として関連セレモニーを開催している。
上野の豊原団地近くのほ場で行われた同セレモニーで、上野地区さとうきび生産組合の砂川明有組合長は「さとうきびは離島地域を支える最も重要な作物であり、さとうきびを栽培するにあたり、土壌は農業生産の基礎であり、土づくりこそが単収向上への礎(いしずえ)だ。われわれ生産農家は夏植え8㌧、春植え6㌧、株出し6・5㌧の『ハチロクロクゴー』を目標に生産量40万㌧の達成に向け、『さとうきびは宮古の宝』を合言葉に増産に向け鋭意努力しなければいけない」と増産宣言を行った。
嘉数会長は「宮古地区において代替不可能な基幹作物として地域経済と社会の根幹を支えている。夏植えに向けた土作りの一環として、土壌管理の徹底が今後の収量と品質向上に直結することを再認識し、生産振興は確実に進めなければならない」とあいさつした。
県宮古農林水産振興センターの金城靖所長は「宮古地域のさとうきびは、収穫面積および生産量ともに県全体の4割以上を占め、関連産業への経済的波及効果も大きく、本県の糖業において重要な生産基盤として発展してきた。県として、栽培技術指導、収種および管理機械の導入によるスマート農業の促進を図り、ほ場整備やかんがい施設の整備などを進めていく所存。宮古地域のより良い土壌の継承と今後のさとうきび増産の願いを込め、種を播いていきたい」とメッセージを寄せ、農家を中心とした参加者たちを激励した。
ひまわりの播種作業では参加者たちが砂川組合長の広さ30㌃の畑で横一列になり、約30㌔の種を播き、セレモニーを通して増産に向けて連携を確認した。