
収蔵資料データ公開 市博物館会見発表 デジタル化の1万4千点 19人執筆「紀要第29号」発刊
宮古島市総合博物館(平良安史館長)は8日に市役所で会見し、デジタル・ミュージアム推進整備事業で準備を進めてきた収蔵資料のデータベースを4日から公開したと発表した。同博物館には2万点余の資料があり、今回はデジタル化された約1万4000点が公開されている。今後は2026年度の本格的な公開へ向けて情報、写真などを追加し、より分かりやすいウェブサイトの構築を目指すという。データベースは市総合博物館のホームページからアクセスできる。会見では「市総合博物館紀要第29号」の発刊報告も行われた。
同博物館は収蔵資料をより広く公開、活用させるために24年度からデジタル・ミュージアム推進整備事業を進めてきた。今回、2万点余のうちデジタル化された1万4000点の収蔵資料のデータベースが公開されている。
天久珠江生涯学習部長は「これまで博物館の資料は紙の目録でしか確認できなかったが、今回データベースでより広く情報を提供できるようになった。今後は本格的な公開に向け、より分かりやすいホームページの作成などさらなる利便性向上に取り組んでいきたい」と述べた。
このあとホームページからのアクセスや検索などの説明があった。今回は収蔵資料を公開しているだけという話があり、(本格的な公開に向けては)ウェブサイト上で自然、歴史等に分かりやすいコンテンツを作るなどデジタルミュージアムの構想をしているとの説明もあった。
市総合博物館紀要は職員の調査研究に合わせて専門家らの寄稿と合わせて毎年発刊している。
平良館長は、第29号発刊について「内容は自然、民俗、歴史など多岐にわたっている。ぜひ多くの市民に手に取っていただきたい」と呼び掛けた。
前泊直子教育長職務代理者は「19人が執筆した貴重な研究成果が掲載されている。宮古の自然、歴史、民俗研究などの最新情報がまとめられた一冊となっている。中学生や高校生の皆さんの学習との関わりのある内容も含まれており、少し難しいかもしれないが地域を知るきっかけとして活用されることを願っている」と述べた。
内容は▽宮古島新生代新第三紀島尻層群から収集した岩石礫▽サシバの島・伊良部から発信する国際交流▽宮古島初記録となるムラサキサギ繁殖と伊良部島・下地島初記録となるゴイサギ繁殖の報告▽蘇(よみがえ)った太平号▽―などが掲載されている。
紀要は300部発刊され、図書館や島内外関連機関に配布するほか総合博物館のホームページで公開されている。