自動運転の実証実験が行われた
=旧来間小中・運動場
交通課題解決へ自動運転 島の少子高齢化対策に一石 NTTデータが実証実験実施
株式会社NTTデータオートモビリジェンス研究所(坂本忠行代表取締役社長・CEO)は28日、市下地の来間島にある旧来間小中学校グラウンドで自動運転実証実験を行った。同実験は、少子高齢化やオーバーツーリズムによる交通事故増加など、来間島が抱える課題の解決を目的に来賓者に自動運転車の体験を提供し、自動運転の安全性や快適性を実感してもらうことで地域住民の理解と受け入れを促進する。
現在、来間島だけでなく過疎地域の抱える課題は少なくない。特に少子高齢化により、移動が困難な人口が増加し、オーバーツーリズムの影響で交通事故やトラブルも増加。さらにその弊害として、環境破壊や治安悪化も懸念されることから、低速小型自動運転移動により来間が抱える課題解決を図る。
開始式で坂本代表は「自動運転の理解を深め、地域貢献を目指している。沖縄県での自動運転の受け入れ地盤をつくることが大きな目標」と述べ、砂川重信区長は「自動運転車には防犯や宣伝など、多くの可能性がある」とし、来間島での実証実験を通じて、自動運転技術の新たな活用方法が見出されることに期待を寄せた。
実験では、あらかじめ道の情報を入れてある自動運転車を用意し、来賓の参加者らに旧来間小中学校運動場のコースでの自動運転体験を提供した。
市議会議員の久貝美奈子氏は「初めは怖い気持ちもあったが、乗ってみると安全で静かだと感じた」と述べ、「高齢者の買い物や通院など移動手段として活用できる日を楽しみにしている」とコメントした。
この実験は、来間島だけでなく、県全体での自動運転技術の普及と理解を深めるための重要な一歩となる。
今後も同研究所は、地域社会と連携しながら、自動運転技術の実用化に向けた取り組みを進めていく予定だという。